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二択を間違え続けるピンク
二択を間違え続けるピンク
まちゃかり
現代ファンタジースーパーヒーロー
2025年03月04日
公開日
1,783字
完結済
 タイトル通り、ピンクが選択を間違え続けるだけのお話です。

戦犯ピンク

 ポンコツ町に幹部『催眠術師ルイザー』出現したという報告と共に、レッドから緊急戦隊ワープの招集がかかった。


「分かった。だが、こちらも立て込んでいて今すぐ向かう事が出来ない。私が来るまで持ち堪えてくれ!」


 通信を切ったあと、私は『替え玉頼みます!』と店長に言った。



         ◇



「仲間が、仲間が窮地に陥っているかもしれないゲップ! 頼む、間に合ってくれ!」



◇ポンコツ町



 予め変身した後、緊急戦隊ワープでポンコツ町に降り立った。しかし既に、レッドとグリーンとイエローは地面に倒れていた。


「お前ら、なんでこんな時にアリと戯れてるんだよ!」


「この状況でアリと遊んでる発想を思いつくブルーが怖いよ。みんなやられたんだよ、あの幹部に」


「ピンク、君は無事だったんだな!」


「なんとかって感じだけどね」


「それにしてもまさか、レッドとグリーンとイエローがやられるなんて、計算外だ」


「三人がやられるのも当然よ。奴は相手の身体の感覚を操る、催眠の力を持っているのだから」


「三人はどんなやられ方を?」


「ええ、まずはレッドが戦ったわ」



         ◇



 レッドと催眠術師ルイザーの戦いは、レッドが圧倒していたらしい。


『奥の手、へんしん!』追い詰められたルイザーはへんしん能力でレッドに化けた。それから事態が急変する。


『一騎打ちの最中申し訳ないけど、あたしがとどめを刺すわ! ピンクリボン!』ピンクがレッドに不意打ちを仕掛けた。


 ピンクリボンがレッドに直撃。しかし、当たってない方のレッドがルイザーの姿に戻っていく。


 本物のレッドは気絶した。



         ◇



「いやあ、失敗失敗」


「ピンク、君は何してくれてるんだ!? 君の失敗でレッド気絶しちゃってるんだが!」


「二択クイズは結構得意だったのだけど」


「二分の一、攻撃するかの発想、絶対間違ってるからな!」


「まあ運が悪かったわね」


「悪いのは君のギャンブラー精神だよ」


「で、グリーンとイエローはどんなやられ方を?」


「ええ、奴はレッドを倒した後」


「責任転嫁やめろ」



         ◇



『今度はあたしに化けてきた!』


 ルイザーはピンクにへんしん。すると今度はイエローが奴の前に立ったらしい。


『グリーンとピンクは後方支援を頼みます。ルイザー、私が相手です!」


 イエローの意図としては憶測になるが、ピンクがルイザーと入れ替わらないようにした、と考えられる。


 しかし、ピンク曰く、その時は突然訪れたようだ。


 一瞬の攻防の末に、イエローとグリーンは倒されたらしい。



         ◇



「そんなバカな。イエローとグリーンが一度に倒されたなんて……」


 すると先程から空気と化していたルイザーが、困惑しながら語り始める。


「いや、倒したのお宅らのピンクですぞ?」


「なんでだよ。いやおかしいだろ!」


「違う、違うの!」


「まさか、相手の身体の感覚を操る、催眠ってやつを使われたのか?」


 私の問いに答えるようにピンクは語り出す。


「ええ、そうね。奴とイエロー、そして後方支援のグリーンを合わせた戦いは互角だったわ」


「ピンク、お前は加勢してなかったのか?」


「この時、私の頭に一つの可能性がよぎったわ『もしかしたら戦いの中でルイザーがイエローに、イエローはグリーンに、グリーンがルイザーにへんしんしているんじゃないか』ってね」


「はっ? 何言ってんだコイツ?」


「でも『ルイザーがグリーンで、グリーンがイエローに、イエローがルイザーのケース』これも十分考えれるわけ」


「本当にさっきから何言ってるんだ君は? 変身能力はルイザーだけだろ」


「まあ、二分の一よね」


「どっちも不正解だわ」


「だけどあたしは学んだの。どっちかが正解なのだから、多少の犠牲を払ってでも、どっちも攻撃すればいいと」


「そのどちらも不正解なんだがな」


「そしてイエローとグリーンを攻撃して、気絶した二人を見て思ったわ。またやっちゃった☆」


「ていうか君、超戦犯じゃないか! な~にが催眠だ! 相手の能力過大評価してるだけじゃないか!」


「お宅ら、ワシを置いといて雑談するんじゃないですぞ!」


 私にへんしんしたルイザーが悍ましい圧力をかけながら詰め寄ってくる。


「ああ、そういえば今、ルイザーと戦ってるんだったな。味方が敵すぎて霞んでた」


 ルイザーが両手に剣を持ち、突撃してくる。筋力は互角、剣捌きも互角か……


 クソッ、私の二刀流もコピーできるのか。だが、私だって負けてはいない!


 おそらく泥試合だろうが、絶対に勝ってみせる!



         ◇



 このあと、私もピンクに倒された。

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