「俺は、
同じクラスのイケメンで、かなりのモテ男。名前は、
優しくて誠実な彼に、僕は簡単に心が動いてしまう。何があっても、直ぐに守ってくれる。
後ろ向きな僕をいつも、優しく支えてくれた。綺麗な瞳で見つめられると、心臓が煩くなってしまう。
「先輩、好きです。俺と付き合ってほしい」
仙堂の従兄弟の
高校の二つ下の後輩で、何かと頼りっぱなしである。いつも優しく、包容力がある。
運命の番で、自然と体が反応してしまう。初めて会った時から、何か惹かれるものがあった。
「僕なんかでいいのだろうか」
この世界には、男女の他に第二の性が存在する。アルファは、何事にも秀でている。
ベータは、特に何もない。いいこともないし、悪いこともない。
オメガは、全てにおいて劣っている。僕はその劣っているオメガで、男子高校生だ。
背も小さくて、目が大きく童顔。髪は校則に引っかからない程度に、適当に伸ばしている。
大きめの黒縁メガネをかけていて、よく女の子に間違われる。オタクで、趣味はアニメ鑑賞。
平凡な僕が、イケメン従兄弟二人に同時に好かれるかとか……。それ、完全に少女漫画の世界じゃん!
僕は最終的にこの魅力的な二人から、一人を選ばなくてはいけない。
オメガにとって、番は一生のことだ。慎重に、後悔しない道を選ぶんだ。