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「◼️」をお届けに参ります
「◼️」をお届けに参ります
雨宮徹
ホラー怪談
2025年04月16日
公開日
568字
完結済
ピーンポーンとなるインターホン。果たして、何が届くのか……?

「◼️」をお届けに参ります

 ピンポーン。ピンポーン。



「はーい、今行きます」私はインターホン越しに答える。



 多分、この前頼んだ人気アニメのグッズだろう。私はつっかけを履くと玄関に向かう。



「ちわー、荷物をお届けに来ました!」



「暑い中、ご苦労様」私はそう言いながら印鑑を押す。



 部屋に戻ると、早速荷解きをする。豪快にガムテープを剥がす。これよ、これ。この瞬間がたまらない。入っていたぬいぐるみを抱きしめる。よし、今日からベッドに置いて一緒に寝よう。



 ブルルブルル。



 バイブ音を立ててスマホが震える。画面には「荷物をお届けに参ります」とショートメッセージが表示された。え、さっき届いたんだけど。メッセージの中を開くと、こう書かれていた。



「死をお届けに参ります。到着予定時間は本日です」



 死を届ける? どういうこと? 詩の間違いじゃなくて? イタズラにしてもタチが悪い。私がメッセージを消そうとした瞬間、次のメッセージが届いた。



「ただいま、最寄りの配達センターです」



 ああ、イライラする。ブロックすればメッセージは届かない。私は即座にブロックした。



 ブルルブルル。



 またしても、バイブ音とともにスマホが震える。



「ご自宅の前です」



 立て続けに次のメッセージが届く。



「現在、後ろにいます」



 私は振り向くが、そこには誰もいない。怖がって損したわ。もう一度、スマホが震える。



「またのご利用をお待ちしています」

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