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賽は投げられた
賽は投げられた
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現代ファンタジー都市ファンタジー
2025年04月19日
公開日
1,134字
連載中
ここはすべてゲームで決まる。 自らの命、【LP】(ライフポイント)を掛け金に日々ギャンブルが行われる。 そんな都市に一人の少年が、新たに加わった。

初めてのゲーム

「これが【LP】か…」


スマホにチャージされたポイント。

この都市に来る途中、様々な手続きの上、手持ちの金やらなんやらを全額このポイントとやらに変換されてしまった。

どうやらこれでいろいろ遊べるらしい。


「試しにメダルゲームでもしてくるか」


この都市にはLPを消費したギャンブル…メダルゲームやパチンコやスロットなどのほかにポーカーやルーレットなど日本では本来禁止されているギャンブルも存在している。そのすべてが【LP】というこの都市専用の通貨を使うことで参加できるのだ。


そんな【LP】…正式名称は【ライフポイント】


そのポイントは文字通り命をつかさどるポイントだ。

自らの時間を、金を、そして自由と引き換えにそのポイントは付与される。


では0になればどうなるのか。

答えは【死】だ。

といっても本当に死ぬことではない。

ただ、【死】と言っても過言ではないことになるのは確かだ。


この都市では衣食住すべてにLPを使う。

そんなLPがなくなれば稼ぐしかない。

その稼ぐ手段…それは、常人には過酷すぎるものだ。


他人の命を働いて稼ぐ…それすなわち主に絶対服従の奴隷となることに他ならない。

自らの命を捧げ雇い主のLPを等価交換しなければならないからだ。


そんな都市…もとい遊楽都市ゆうらくとしと呼ばれるこの場所に来たばかりの俺は、ひとまず近くにあったメダルゲーム屋へ入る。


「このスロットでいいか…」


最大ベッド5LP、青7、緑7、赤7にそれぞれ50、100、200LPと書かれていた。

俺の所持LPは1000。ひとまず300LPをスロットに使うことに決めた。

スマホを交わすとスロットのクレジットが300、代わりにスマホを見ると700LPと書かれていた。


「では…始めるか」


俺はMAXBETのボタンを押し5づつ減っていくクレジット。

スロットは周り、外れが続く。


「う~ん…あんまりおもしろくないな」


俺はスマホでネットサーフィンをする。

しばらく画面を見ないでいると何やら当たったらしくLPが少しずつ増えていくのだった。




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「このぐらいでいいか」


255LP持ち込み《バイイン》で1385LPが最終LP…つまり1130LP勝ちということか。

俺のLPの合計は2385LPとなった。


「飯でも食うか」


40LPを払い小さめのハンバーガーとポテト、それと大好きなメロンソーダを頼んだ。


「うめぇな」


絶品とまではいかなくともそこそこの味の料理を食べ終え俺は都市の移動を開始する。


「え~っと、この都市にあるものは…」


ネットサーフィンをして見つけた場所。

ここから近い場所だとポーカールームと奴隷市場だったか。


「ポーカールームに行くついでに奴隷市場とやらも見ていくか」


スマホをしまうと俺は店を後にし、目的地に移動を開始する。


「目的を見つけるいいきっかけになるかもしれないからな」


そんな独り言をいいつつ俺は夜の町へと足を踏み出すのだった。

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