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13ゲロ 洗濯機の中にポケットティッシュ入れた犯人、今日中に名乗り出ろ

 さーて、久々の再開なのだ!



 前回の更新日を見たら、1ヶ月以上も間が空いてしまっていた。



 全国1億2千万のゲロインファン(妄想)の方々、本当に申し訳ない!



 この作品は、元々、ネオ書きコン1の賞金に目が眩んだ作者が、中華系チェーン店の日高〇で深酒してゲロ吐いた時に思いついた勢いで書き始めたから、途中でネタに詰まって更新が止まっていた……というわけではないのであーる!!絶対に!そう、多分!!いや、もしかしたら、ほんのちょっとだけサボってたかもしれない……(汗)。




 恐らく、ネオページ内でも1番ゲロ臭い作品なので(このまま更新止まってりゃ良かったのに)と思う読者や運営スタッフもいたかもしれないが、駅のホームに染みついてなかなか落ちないゲロ痕のように、しぶとく蘇ってきちゃったのだった♡




 だってさー、もしかしたら、この回からバズって、何かの間違いでコミカライズ化とかアニメ化するっていうウハウハな展開になるかもしれないじゃん?




 そこの読者!「えー?ネオ書きコン1の1次選考3回とも落ちたのにー?」っていう表情しながら読まないでね!



 わかってる!わかってるから!




 前回までのあらすじ!……書くの面倒くさいから、各自読み直して欲しい!以上、あらすじ終わり!!





 ……ゲロポエム朗読により、まさかの係長昇進を果たした火廊陣生ひろうじんせいは、周囲の人から通報されそうなほどキショイ笑顔を浮かべて、帰宅中であった。




 しかし、自宅の玄関を開けた瞬間に、彼の笑顔は崩れ去り、代わりに冷や汗が顔中に浮かんできた。



「おかえりなさいパパ♡」



 何故ならば、玄関には顎に冷えピタを貼った長女のしきが立っていたからであった。



 満面の笑みを浮かべている彼女は、何故かバスローブを纏っていた。




 そう!更新をサボっていたせいで忘れてる読者も多いかと思うが、昨夜、ジュリアナに肉体を操られた際に、陣生は式を〝ワンパンKO〟してしまったのだ。




 「ち、違うんだ式!昨日のアレは、パパのせいじゃなくてだな……」




 陣生は、昨夜の出来事の言い訳を必死に考えていた。



 しかし、式は昨夜の事など忘れてしまったかのように、笑顔を崩さなかった。



 「あら♪昨日のアレって、何の事?さあ、今日はご馳走を用意してあるわよ。早く中入って」



 (あれ?もしかして、昨日の事は夢だったのかな?)



  自分に都合の良い事ばかりを考えながら、陣生は靴を脱ぐと式に背を向けて食卓へ向かった。



  その瞬間!



 「バカめ!油断したなパパ!昨夜の恨みを晴らしてくれるわ!マ~グネットパワァァァー!マイナァァァース!」




 バスローブを脱ぎ捨て、そう叫んだ式は、なぜか女子プロレスラー風のレオタードに、北斗〇拳の雑魚キャラみたいな肩パッドを付けた姿で、陣生の後頭部にラリアートを食らわせる。



「ぐえぇぇぇぇっっ!!……って、何ぃ!その出で立ちは!?まるで……」



 振り向いた陣生が、ツッコミを言い終える間もなく――



 「お姉ちゃあああんっ!!マ~グネットパワァァァー!プラァァァース!」



 ――前方の天井から飛来した謎の人物が、空中で旋回しながら、彼に迫ってくる。



 それは、ラリアートの構えをした次女のえんである。しかもラメ入りの黒×金スパッツに、肩パッド付きのロングマントを羽織ってるという謎スタイルであった。



 燕のラリアートは、見事なタイミングで陣生の喉元に炸裂した。



 つまり、彼は2人の娘のラリアートに、首を挟まれる形となっちゃったのである。



 その瞬間、式と燕は――



「「クローーースボンバァァァーーーッッ!!!」」



 と、キン肉〇ンに登場するネプチュー〇マンとビッグ・〇・武道のタッグの必殺技名『クロスボンバー』を叫ぶのであった。



 式の後方からのパワー型ラリアート+燕の前方からのスピード型ラリアート。



 前後から挟み込むように、ぶち込まれたその一撃は、もはや人間技ではない。




 陣生の体は、ビヨヨンと物理法則を無視して真横にしなり、そのままスローモーションで吹っ飛んだ。



 リビングのカーペットに真顔で墜落する父の姿に対して――




 姉妹は無言で、故・ハルク・ホーガンのような〝イチバーン〟ポーズを決める。




「いやいや!!ネプ〇ューンマンのクロスボンバーってお前ら知らない世代だろ!?令和の娘だろ!?」




 床に沈みながらツッコむ陣生に、式は吐き捨てるように言う。




「アニメとマンガは時代じゃなくて“魂”で読むんだよ!分かった?社畜パパ」




「ちなみに、ラリアットの瞬間、左右の腕にグローブ重ねて“摩擦抵抗アップ”も再現してるからね。クロスボンバーの理論通り♡」




 燕が親指をクイッと立てながら、ドヤ顔で補足した。




 「いや、クロスボンバーに、そんな理論は無いからね?燕ちゃん、デタラメばかり言ってるとキ〇肉マンファンに怒られるよ?」




 そう!火廊家のクロスボンバーは、昭和プロレスとキ〇肉マン愛とデタラメなプロレス知識で生まれた精密なんだか、雑なんだか、よく分からん再現芸だったのだ……。




 フラフラと立ち上がった陣生に、両腕を組んだ式が叫ぶ。




 「昨日の夜中、パパが台所でプレイしてた時、式はパパに不意打ちで殴られて気絶させられたの!……文句ないわよね?」



「え、えっ、それはその、ち、違うんだ、あれはジュリアナちゃんが俺の体を……あ、い、いや!何でもない!」



 陣生は、咄嗟にジュリアナの名前を出してしまい、慌てて両手で口を抑える。



「誰よジュリアナって?浮気相手?14歳の娘を殴っておいて、誤魔化す気なの!?パパ反省が足りないようね?喰らいなさい!【真・式ちゃん♡スペシャルジャンピングエルボー】!」



 式がジャンプして、天井スレスレで器用に一回転しながらエルボーを父に叩き込もうとする。




「あぶなっ!やめろ!オイ待って!そもそもお前ら、その衣装どこで手に入れた!?」



 陣生は、式のエルボーをギリギリで避けながら、ツッコミを入れた。




「「ママのコスプレ用よ!!パパの趣味でしょ?」」



 2人の娘は、ハモッて答える。



「俺の趣味じゃねーよ!!なんでママが俺の知らないコスプレ衣装持ってんだよぉぉぉ!!」



 〝バン〟



 その時、食卓のドアが開いて、ゴツゴツとしたヒールの音が廊下に響いた。



 ――スリット入りの赤チャイナドレスを纏い、赤いハイヒールを履いた妻・詩乃夜しないよが、ゆっくりと3人の元へやってきた。




「ちょっと、式と燕。あんたたち、パパをいじめちゃダメでしょ?」



 彼女は、腰に手を当て、まるでママというより、場末スナックのママ感を醸しながら、娘たちの前に仁王立ちしている。



「ママ!昨日、パパに殴られて気絶してたじゃん!何で怒んないのよ!?……ていうか、何でチャイナドレス着てんの?ママ、どんだけコスプレ衣装持ってんのよーー!あと、家の中でハイヒール履いちゃダメじゃない」




 式は、母に質問とツッコミを同時に入れる。彼女の後ろには、そのヒールで床に刻まれた穴が点々と並んでおり、廊下が「DIYで床に謎のダンジョントラップ作りました!」状態になっていた。




「だって~♡〝あの一撃〟が気持ちよかったの♡」




 詩乃夜は両手を頬に当てて、昭和の昼メロヒロインみたいに恍惚とした表情を浮かべた。




「「は?」」



 式と燕の声がシンクロ。2人の顔は「ソシャゲのガチャで課金し過ぎた請求金額を見て爆死した直後」みたいに凍り付く。




 だが詩乃夜は、そんな娘たちをガン無視。ドヤ顔でスリットから長い脚をニュっと出して、陣生の前にポージング。まるで“昭和のグラビアポスターを令和に無理やり貼った感”そのものだった。




「昨夜、私の〝チン〟にの拳が直撃した瞬間……電流が走ったの!あれは、愛の一撃だったんだわ♡」




「いや、お前気絶してたからな!?泡吹いて白目剥いてたからな!?昨日は俺が悪かった!本当にごめん!だから、その変なポージング止めてぇぇー」




「お願い陣様♡今夜も詩乃夜の〝チン〟、〝チン〟に熱い一撃を♡」




「2回続けて〝チン〟って言うなぁぁああ!!!」




 陣生は通勤カバンを盾にしながら、ジリジリと詩乃夜から後退する。その額には「頼むから誰か110番してくれ」の文字が浮かんでいる……ような気がした。




 そんな2人の姿を見たジト目の燕が、こめかみにギャグアニメみたいな大型の汗を浮かべながら、こう言った。



「パパとママの夜のプレイ、キッッツ!!」



 それを聞いた式からも追撃の悲鳴が放たれる。



 「ていうか、そもそも〝チン〟て顎だよね!?なんで顎なのに、そういう響きにしちゃってんの!?もう無理!無理ゲー!」




 カオスの極みとなった火廊家の玄関前廊下に、さらに追い打ちをかけるように、燕がピョコンと飛び跳ねて父の胸に飛び込む。




 「そうだ、パパ!サンテンドーのスイッチョ2買って!!今、品切れ中の超レアゲーム機なの!クラスの子がみんな持ってて、燕だけ仲間はずれなんだよぉぉ!」



「お前、今この修羅場で何の話してんだ!?タイミング無視の爆弾おねだり娘かよ!?」



 だが、陣生はふと思い出して、呟いた。



 「そういえば、会社の近くのパチンコ屋の景品コーナーに、確かスイッチョ2があったな」




 その直後、陣生の脳内に、能天気なジュリアナの声が響いてきた。




 [ふあ~ぁ。よーく寝たな。もう夜か。ねえ!ねえ!陣ちゃん、今パチンコって言わなかった?パチンコ屋行きたいよー!連れていってくれる約束したじゃん!]



 『ジュリアナちゃん。静かだと思ったら、寝てたの?娘たちからクロスボンバー喰らってたのに、よく寝れたね?もう、今日は家帰ってきたからパチンコ屋行くの無理だよ~』



 陣生は燕を抱っこしながら、スマホのメモアプリで、そう書いて画面を見つめた。



 [えー!じゃあ、明日連れていってよ。陣ちゃんの欲しいスイッチョ2ってゲーム機をワチキが取ってあげるからさ!それよりも、クロスボンバー喰らったって、マジ?ワチキが、仕返しにこのガキどもをブチのめしてあげよっか♡]




 「余計なことすんなあああああ!!」




 陣生の叫びが狭い廊下に響いた──。





 ――場面変わって、辺留べる薔薇薔薇ばらばらいんエリーザのマンション。





 「課長~!課長、起きてますかぁ~?」




 エリーザ宅のピンポンを連打してるのは、彼女の部下であり、営業部アイドルでもある万賀多伊夢まんがたいむきららだった。




 だが、今夜の彼女は、普段のあざとい甘え顔ではなく、やたら真剣な顔をしていた。




 ドアが開き、ネグリジェ姿で髪を下ろしたエリーザが顔を出す。




 「万賀多伊夢さん?こんな時間に何の用かしら?明日の朝ご飯の漬物作りで忙しいのよ」



「課長に伝えないといけないことがあるんです!」



 そう言って、きららは強引に玄関に入り込んできた。




 「ち、ちょっと!いくら何でも非常識じゃない?」




「ねえ、課長。いや、プリプリメーラちゃん、まだ気がつかないの?きらら、本当は課長の〝お姉ちゃん〟なのよ。魔界から来た魔法少女で、その名は……次回のお楽しみよ♡」




 きららの突然の告白に〝ピシリ〟とエリーザの表情が凍るのだった。


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