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SAMURAI BIZ HEROES ―スーツ侍―
SAMURAI BIZ HEROES ―スーツ侍―
紅夜チャンプル
現代ファンタジースーパーヒーロー
2025年04月24日
公開日
4.7万字
連載中
転生した戦国の覇者たちが「スーツ侍」に変身し企業の闇をぶった斬る! 東京のオフィス街。 働く者たちは、長時間労働、理不尽な評価、心をすり減らす毎日に苦しんでいた。 そんな現代社会に、あの男たちが甦る。 織田、豊臣、武田、徳川、上杉―― 戦国の覇者たちがスーツに身を包み、企業の闇を斬る! 部署は戦場、会議は決闘。 その刃は、名もなきサラリーマンたちの「心」と「未来」を守るために振るわれる―― 正義か、制度か、それとも改革か。 今、この世のオフィスに、侍たちの風が吹く! ※歴史上の人物をイメージしていますがオリジナル要素ありのファンタジーです。しっかりとした歴史ものとは異なるのでご了承下さい。 ※作品はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません。

序章

プロローグ

―風は時代を駆け、侍はスーツを纏う―


 東京の一角で「何か」が起こった。

 時空の歪み、激しい稲妻。


 その日以降、無数の叫びが聞こえるようになった。

「働く意味が、わからない……」


 その声に呼ばれるように、「5つの影」が、現代に降り立った。



【現代・東京】

 満員電車。

 詰め込まれるスーツ姿のサラリーマンたち。

 鳴り響く通知音、長時間労働、ハラスメント、成果主義、納得できぬ評価。


 いくさの時代は終わったはずだった。しかしこの時代には心を斬り裂くいくさが繰り広げられる。一人の人間として尊重されるはずだった者たちが叫ぶ。


 いつから自分たちは会社の「駒」となったのか。

 いつから先方の顔色を伺い、本音を話せなくなったのか。


 何故画面ばかりを見て対面のコミュニケーションを避けるようになったのか。

 何故いつも営業成績のプレッシャーに押し潰され体調を崩すのか。



 この世に自分の居場所となる職場があるのか。



 ※※※



 ネオンに染まるオフィス街。一人の若手社員はコンビニ前で缶コーヒー片手に、ぽつりとつぶやく。

「俺、なんで働いてんだろうな……」


 別の若手社員は涙を抑えて帰路につく。

『まだ出来ていないのか?』『飲み会には絶対出席だ』『お前のせいで俺が叱られるのだ』

 思い出すだけでゾッとする言葉の数々。

「私、もう働きたくない……」


 他にもスーツ姿のサラリーマン達が皆、俯いてため息をつく。



 その時、

「呼び声、届いた」


 街のスピーカーが一瞬ザザッとノイズを発し、次の瞬間、空を裂くように黒いスーツの影が現れる。


 ビルの屋上に立つ、5人の男たち。

 風にたなびくネクタイとマント、異様なオーラを放つスーツ。



 黒の総帥、堂々たる声を放つ。


「この現代は、腐っている。心なき組織、魂なき労働。

 だが……まだ戦える者がいるならば、俺たちは斬る。救う。導く」



「「「「「我らスーツ侍! ここに見参!」」」」」



 黒の統括戦士、ノブナガ。

「古き制度は燃やし尽くす。働く全ての者に、明日と希望を見せるために」

 金の営業戦士、ヒデヨシ。

「さあ、今日から笑って交渉だ! お前たちの夢、俺が通すからさ!」

 紅の技術戦士、シンゲン。

「現場の声を聞き、現場を守れぬ者に、指揮官の資格なし!」

 蒼の経理戦士、イエヤス。

「数字は嘘をつかぬ。だからこそ、誤魔化す者を許さん」

 白の人事戦士、ケンシン。

「この刃は、声なき者のために振るわれる。義を貫け、個性を尊重せよ」



 戦国より甦りし5人の魂。彼らは名もなきサラリーマンを救うため、この時代の戦場に降り立つ。


「残業を断て、理不尽を斬れ! 俺たちが、お前を守る」

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