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言えない想い《李雄視点》

俺が、あいつを好きだと認めてしまったあの日から数日が経っていた


どぉすれはいいんだ……


分からねぇ!!


この想いは日に日に増していくばかりで毎日ため息が出る。


どぉしたものか……


でも、あいつは俺の気持ちなんて知るはずもない為

かなり切なくなる、相手は生徒……


おまけに同性で年下だ。


「はぁ~」


ついつい、ため息が出てしまう始末。


そんな俺に同じ日本史担当の教師

九重龍也ここのえりゅうやが声をかけて来た


「どうしたんですか?


ため息なんてついて」


「いいえ、何でも無いんです」


「何でも無いって顔じゃありませんよ?」


心配そうに言われた。


「栢山先生」


「はい」


呼ばれて、反射で返事をしてしまった。


「悩み事があるんでしょ?」


見抜かれた?


「何故そぅ思うんですか?」


「栢山先生の目がとても悲しそうだから」


確かに叶わないだろうと少し干渉に浸ってたが、顔に出ていたのか……


「俺、そんな顔してますか?」


「えぇ」


顔に出てたなんて恥ずかし過ぎる


見られたのが九重先生で良かった……


「悩みがあるんでしたら相談に乗りますよ?」


気持ちは嬉しいが、言える訳がない。


生徒を、ましてや同性を好きになってしまって悩んでるなんて……


生徒と言うのはまだ良いとして

同性って所で引かれそうだ↓↓


「お気持ちは嬉しいのですが……」


はっきりとは断りづらいなぁ……


九重先生の好意を無駄にするようなもんだ……


「話してみて下さい。どんなお話でもちゃんと聞きますから」


少し考えて九重先生に話してみる事にした引かれたらその時はその時だが……


いざとなると言いにくい。


「このまま一人で悩んだままで居るつもりですか?」


痛い所をつかれた……


一人で悩んでたって解決しないのは何となく分かってる。


職員室だったから教官室に移動した。


此処は俺達二人しか使ってないから邪魔されず

心置きなく話しが出来る校内で落ち着ける場所だ。


俺は話し始めた。


「実はですね……


好きな奴が居まして」


照れながらも話し始めた。


「おや、それでため息なんてついてたんですね」


「はい、問題はその好きな奴が"誰か"って言う事なんです」


「誰なんですか?」


率直だなぁ。


「引きませんか……?」


「誰が相手でも引いたりしませんから、教えて下さい」


「それが同性でもですか?」


確認してしまう。


俺は何言ってんだ!!


恥ずかしくなって俯いた……


「そんな事ですか」


そんな事!?


サラっと言ったよな?


恐る恐る顔を上げて、九重先生の

顔を見たらさっきと変わって無かった。


「引かないんですか?」


「引かないって言ったじゃないですか。


それより、誰なのか教えて下さいよ」


また軽く流された。


「二年三組の途軒桜香……です」


とうとう言ってしまった。


同性ってだけじゃ無くて仕舞いには生徒を好きになるなんて……


今度こそ、引かれるかも。


「あぁ、途軒君ですか、彼、可愛いですもんね」


もしかして、九重先生も途軒の事好きなのか!?


いや、でも……


「えぇまぁ」


とりあえず、相槌を打ってみる。


「ですが、驚きました」


「学校一モテる栢山先生が同性愛者だったとは」


クスッと笑われた。


「あ、いや決してそうゆう訳では……


たまたま好きになった相手が同性だっただけと言いますか」


ついつい、焦ってしまう。


「分かってますよ。


すみません、栢山先生を

からかったんですがその恋、応援してます」


「有難うございます」


〈私達は同類〉


九重先生がそんな事を思ってたなんて知る由も無かった……


しかも、九重先生が新庄と付き合ってると知るのは

まだまだ後になってからだった。

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