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恋をするなら3人で
恋をするなら3人で
ロウリュ
BL現代BL
2025年04月27日
公開日
7,977字
連載中
憧れだったあの人と結ばれた……。それなのに、ベッドにはもう一人男がいる。 室井星(むろいせい)はコンビニの夜勤バイトとして代わり映えのなえ日々を過ごしていた。唯一の楽しみは、毎週水曜日の23時にやって来る客、須藤慎也(すどうしんや)の顔を見ること。 ある日コンビニで起きたトラブルをきっかけに、慎也と親しくなった星。過去の失敗から同性との恋愛に消極的だった星だが、二人は急速に関係を深めていった。だが、慎也からある提案をされ、星は絶句する。それは、もう一人の男「ルキ」を交え、3人でベッドを共にすること……。 はじめは戸惑う星だったが、次第に複数プレイの沼に引きずり込まれることになる。

第1話 プロローグ

 剥き出しの体を、そのままベッドに放り投げられた。

 抵抗しようか、このまま逃げ出そうかと考えられているうちに、一人の男に腰を、ゆっくりと掴まれる。

 一瞬、男と向き合う姿勢になったが、すぐさま体の向きを変えられ、四つん這いの姿勢を強いられる。犬のように尻を高く突き出しながら、なぜさっき逃げなかったのかと、星(せい)は自分を猛烈に責めた。

 後悔したまま枕に顔を埋めると、耳朶を優しく食まれた。

 やわらかな唇で弱い部分を犯され、全身に甘い官能が走る。

 やめてほしい。

 こんなふうに、割れ物を扱うみたいに丁寧に触らないでほしい。

 だって、優しくされたあとにめちゃくちゃにされるのが怖いから。

 彼の優しさと激しさに翻弄されるのが怖いから――。

「あ……ああ……っ」

 四つん這いの姿勢にされたまま、後孔に彼自身をあてがわれた。

 最初はゆっくり。徐々にスピードを上げながら、彼はペニスを星の隘路に挿入させていく。

「力を抜いて……。星の気持ちいいところ、俺は全部知ってるからね」

 そう言いながら、彼は一息に星の隘路をペニスで貫いた。

 その瞬間、体が真っ二つになってしまうような痛みと、彼自身で体を満たされているという喜びが、一気に押し寄せてくる。

「うっ、ぐぅうう……っ」

呻きながらも、星は彼に体を任せることしかできない。

 挿入が深まるたびにそれは大きく、硬くなっていき、星の弱いところをめちゃくちゃに突いていく。

「はぁっ、あっ、あん……っ」

 大き過ぎる快楽に耐えるように、星は額をベッドに擦り付けた。いやいやと首を振り拳でベッドを叩くが、そんなことで内奥に広がる快楽を逃すことはできない。

 そうこうしている間にも、彼自身の先端が、薄膜を容赦なく叩いていく。薄皮一枚先にある、星の欲望の塊――。それは、掌で握り潰せてしまいそうなほどの大きさだ。それなのに、この塊が星を泣かせ、震わせ、狂わせていく。

「あっ、だ、だめっ、そこっ。そんな、ぐちゃぐちゃ、いやぁあ……っ」

 彼の緩慢なストロークが、星から語彙を奪っていく。とんとん、とんとん、と弱いところを容赦なく刺激され、視界すら定まらなくなってくる。苦しい、苦しい、苦しい――。

「あ……」

 気づいたときには、星は吐精していた。

 白い、とろりとした灼熱が、ベッドのシーツをびしゃびしゃと穢していく。

「あっ、あああっ、あああああ~~~~~~~~~……」

 四つん這いにされ、後ろから惨めに犯され、自分だけ先に達してしまった。

 恥ずかしくて、悲しくて、目から涙がぽろぽろと零れ出る。

「なんだよ、星さん。泣いてんの?」

 少し離れたところから、もう一人の男の声が響いてくる。

 犯されて、いかされて、それだけで消えたくなってしまいそうなほど悲しいのに、もう一人の男の存在が星を徹底的に追い詰めていく。

「なんだ、ルキ。横から口出しするんじゃない」

「だって、星さん泣いてるから。慎也(しんや)さんが下手なのかな、って」

「余計なこと言ってると、お前に順番回してやらないぞ」

「はい、はーい。すみませんでした」

「ルキ」と呼ばれた男は、そのまま黙ってしまった。

 しかし、顔はにやつかせたまま、ベッド横の安楽椅子に腰かけている。


 二人の男に、代わる代わる犯される――。

 冷静に考えてみれば、狂っているとしか言えない、この状況。

 しかし星は、この異常なプレイを、半年以上も続けていた。

(どうして、こんなことに……)

 彼――慎也に後孔を激しく穿たれながら、星はこうなってしまった原因について考えた。

 あのとき、自分がもっと毅然とした態度を取っていれば。

 あのとき、はっきり「嫌だ」と言っておけば。

 あのとき、どちらか片方に別れを切り出していれば――。


 しかし、いくら考えても答えは出なかった。


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