剥き出しの体を、そのままベッドに放り投げられた。
抵抗しようか、このまま逃げ出そうかと考えられているうちに、一人の男に腰を、ゆっくりと掴まれる。
一瞬、男と向き合う姿勢になったが、すぐさま体の向きを変えられ、四つん這いの姿勢を強いられる。犬のように尻を高く突き出しながら、なぜさっき逃げなかったのかと、星(せい)は自分を猛烈に責めた。
後悔したまま枕に顔を埋めると、耳朶を優しく食まれた。
やわらかな唇で弱い部分を犯され、全身に甘い官能が走る。
やめてほしい。
こんなふうに、割れ物を扱うみたいに丁寧に触らないでほしい。
だって、優しくされたあとにめちゃくちゃにされるのが怖いから。
彼の優しさと激しさに翻弄されるのが怖いから――。
「あ……ああ……っ」
四つん這いの姿勢にされたまま、後孔に彼自身をあてがわれた。
最初はゆっくり。徐々にスピードを上げながら、彼はペニスを星の隘路に挿入させていく。
「力を抜いて……。星の気持ちいいところ、俺は全部知ってるからね」
そう言いながら、彼は一息に星の隘路をペニスで貫いた。
その瞬間、体が真っ二つになってしまうような痛みと、彼自身で体を満たされているという喜びが、一気に押し寄せてくる。
「うっ、ぐぅうう……っ」
呻きながらも、星は彼に体を任せることしかできない。
挿入が深まるたびにそれは大きく、硬くなっていき、星の弱いところをめちゃくちゃに突いていく。
「はぁっ、あっ、あん……っ」
大き過ぎる快楽に耐えるように、星は額をベッドに擦り付けた。いやいやと首を振り拳でベッドを叩くが、そんなことで内奥に広がる快楽を逃すことはできない。
そうこうしている間にも、彼自身の先端が、薄膜を容赦なく叩いていく。薄皮一枚先にある、星の欲望の塊――。それは、掌で握り潰せてしまいそうなほどの大きさだ。それなのに、この塊が星を泣かせ、震わせ、狂わせていく。
「あっ、だ、だめっ、そこっ。そんな、ぐちゃぐちゃ、いやぁあ……っ」
彼の緩慢なストロークが、星から語彙を奪っていく。とんとん、とんとん、と弱いところを容赦なく刺激され、視界すら定まらなくなってくる。苦しい、苦しい、苦しい――。
「あ……」
気づいたときには、星は吐精していた。
白い、とろりとした灼熱が、ベッドのシーツをびしゃびしゃと穢していく。
「あっ、あああっ、あああああ~~~~~~~~~……」
四つん這いにされ、後ろから惨めに犯され、自分だけ先に達してしまった。
恥ずかしくて、悲しくて、目から涙がぽろぽろと零れ出る。
「なんだよ、星さん。泣いてんの?」
少し離れたところから、もう一人の男の声が響いてくる。
犯されて、いかされて、それだけで消えたくなってしまいそうなほど悲しいのに、もう一人の男の存在が星を徹底的に追い詰めていく。
「なんだ、ルキ。横から口出しするんじゃない」
「だって、星さん泣いてるから。慎也(しんや)さんが下手なのかな、って」
「余計なこと言ってると、お前に順番回してやらないぞ」
「はい、はーい。すみませんでした」
「ルキ」と呼ばれた男は、そのまま黙ってしまった。
しかし、顔はにやつかせたまま、ベッド横の安楽椅子に腰かけている。
二人の男に、代わる代わる犯される――。
冷静に考えてみれば、狂っているとしか言えない、この状況。
しかし星は、この異常なプレイを、半年以上も続けていた。
(どうして、こんなことに……)
彼――慎也に後孔を激しく穿たれながら、星はこうなってしまった原因について考えた。
あのとき、自分がもっと毅然とした態度を取っていれば。
あのとき、はっきり「嫌だ」と言っておけば。
あのとき、どちらか片方に別れを切り出していれば――。
しかし、いくら考えても答えは出なかった。