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貴方の色はなんですか?
貴方の色はなんですか?
環月紅人
現代ファンタジー異能バトル
2025年04月29日
公開日
1万字
連載中
【死後の世界×デスゲーム×ほのぼのスローライフ!?】 死後、ランダムに集められる五〇〇名の参加者へ。 いま一度人生を謳歌するための【蘇生権】を懸けて、命を賭けた【殺し合い】をしてもらう。 ――そんな死後の世界に足を踏み入れてしまった主人公・剣崎冬馬は、『誰の命も奪いたくない』し『そこまで生の執着もない』ことから、ひっそりとデスゲームの外れでのどかな余生を送ることにする。 そんなマイペースな彼に目をつけ、声を掛けるのはヒロイン・深月詩織。 人との距離感を掴むのがド下手で妙に当たり屋気質な彼女は、揶揄いがいのある剣崎冬馬を煽ったりしながら、二人きり、楽しく『蛇足の人生』を送る。 しかし、世界はそんなに生易しくもなく……。

*introduction*

 天国に地獄、あの世、来世。

 幽霊という存在も信じてはいない。

 死後、人の魂に行方などない。


 僕はそう考えていたからこそ、運転中の交通事故であっけなくこの二十八年間の人生を幕を下ろしたときも、(あ、僕は死ぬんだ)と全てを受け入れて心中穏やかに逝くことができた。


 ――そう思っていた。


『奇妙な運命に翻弄され、百年余りの寿命も全うできないような迷える子羊たちへ』


 肉体から分離された魂が、正体不明の謎の声にどうしてか引き寄せられていく。

 次第に天上へと導かれる僕。その意識は遥か成層圏を越えて闇のなかに到達すると、僕と同じように光り輝く魂だけの存在がずらりと数えきれないほど並んだ。


『君たちを私主催のゲームへ招待しよう』


 非科学的なものは何も信じていないけれど。

 僕の人生の終幕は、とんでもない出来事への幕開けでもあった。


『いま一度人生を謳歌するための【蘇生権】を懸けて、君たちは死後の世界で、命を賭けた【殺し合い】をしてもらう』


 だけど、僕は蘇生になど興味ないから、それはとても迷惑な話だった。



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