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第59話 モンスター襲撃11



 全ての敵モンスターが防衛隊と接敵して戦った訳もなく。

 接敵しても無視して飛び去った敵モンスターや、そもそも防衛隊が居ない海岸に上陸した敵モンスターも多い。


 また、攻撃範囲もより広くなり日本海側の下半分と九州西部は危険エリアとなり、警戒エリアが格段と増える。


 内陸に侵入した敵モンスターは、戦う力の無い一般人を蹂躙する事になり、惨劇の7日間を繰り返すことになった。



…………………



 合同チームが奮戦するも終息するの8日間かかり、数千人の死亡者と数千人の重軽傷者が出る。


 やはり、陸上自衛隊のスナイパーとダンジョン対策部隊の合同チームの数が少なすぎで強さも足りないのが一番の問題だった。


 また、海岸等に待ち構えると発見される可能性があり、初激に当てないと分散して逃走されてしまう問題も表面化。


 さらに、移動のための足が十分に無く、現場に駆けつけるのが遅い問題もある。


 合同チームが最も有効に機能するには、敵モンスターに見つからずに狙撃する必要があり、軽く速い移動手段と持ち運べる強化スナイパーライフルかマテリアルライフルが必要だった。

 しかし、数が少なく、扱える人員も少ない。



ーーーーーーーー



 日本政府は事の重大性を認識し非常事態宣言を出す。


 そして、以前出したモンスター防御のために出した政府声明を、非常事態宣言と共により具合的な内容と実行力のある正式な文章として発表する。


以下それの要約を示す。


1、今回の襲撃で日本の5分の1がモンスター襲撃エリアになり、今後も危険なエリアが増える可能性がある事。


2、襲撃エリアを守る為の、陸上自衛隊のスナイパーチームとダンジョン対策部隊の合同チームが足りない事。


 その対策として。

 ・スナイパーチームは自衛隊内で緊急に増強する事、自衛隊内でLv保持者を増やし、Lv上げを行う事。


 ・ダンジョン対策部隊を広く国民から募集し、教育と訓練を行う組織を新たにダンジョン対策省が新設する事。


3、今あるビルや工場等を緊急時の避難場所として策定し必要な強化工事を行い、避難訓練を行う事。


4、移動手段、オフロード装甲車、オフロードバイク、武装ワゴン・武装軽トラック・武装ジープ等の軽武装車両を多く追加。


5、緊急時に自衛や退避できるよう広く一般国民に広報し教育し指導を行う事、無Lv者は速やかにLv保持者になるようサポートする事。


6、マテリアルライフル等の武器及び弾薬が十分でないため武器を追加し、消費された各種弾薬を増産し備蓄も増加する事。


7、その他、防衛の為に必用な事を速やかに行う事。


8、上記を行う為の財源を緊急事態として国から提供する。


 を正式に発表した。



ーーーーーー



 事ここに至って、マスコミも事の重大性を理解し、モンスター襲撃が起こした惨劇を問題の無い範囲で正しく放送し。


 国民に何が起こって何をすべきかを専門家を入れ、モンスター襲撃を詳細に詳しく分析する特別番組を作成し放送する。


 また、政府の国家非常事態宣言を国民に伝えるべく、特集番組を幾つも作り視聴者に伝えるよう努力しする。


 現地レポート番組では、アナウンサーがダンジョン対策部隊に募集した若者を前に問い掛ける。


「なぜダンジョン対策部隊に応募したのですか?」


「私は福岡の港町に住んでました。

 モンスター襲撃の時に私をかばって両親が死にました。

 悔しくて悔しくて、悲しくて夜も眠れませんでした。

 だから、敵を討ちます」


 若者は真剣な顔でそう言って離れて行く。

 アナウンサーはそれを黙って見送るしかできなかった。


 ある人は、いい歳のニートだがテレビを見て、居ても立っていられなくなり、俺にも出来る事があるかもときました。


 また、おらー魚師だけどな、モンスターのせいで漁に出られなくなった、だからここに来た。


 俺の務める工場が燃やされた、だから……。


 その後も、多くの人を取材したが、それぞれの重い事情があり、気軽に次の質問ができなかった。


 募集受付の建物前には長蛇の列ができていた。



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