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鬼払いのヤマト
鬼払いのヤマト
海道ほこ
現代ファンタジースーパーヒーロー
2025年05月13日
公開日
6,098字
連載中
高校一年生である白鳥大和は、とある出来事をきっかけにヒーローに憧れていた。 いつかはヒーローとなり、自分にしか見えない”オバケ”を倒せるようになるのが夢である大和は、ある日隣の席の吉備野武が夜間に学校へ入っていくのを見かける。 そこで大和は、武が”オバケ”と戦っている姿を見かけて――……。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 更新予定:未定 第1回ネオページ書き出しコンテスト参加作品です。 よければ応援チケット、いいね、ブックマーク等いただけると励みになりますので、よろしくお願いいたします! 更新のお知らせ等々こちらでしております→@kaidou_hoko

零話 はじまり

 十年前。少年は見た。


『我、至宝ヲ見ツケタリ!』


 夕暮れ時、川沿いの堤防を歩いている時だった。突然として、見上げるほど大きな武者鎧が現れたのだ。

 一緒に歩いていた父は、わけもわからぬ存在から、必死に少年―我が子―を守ろうとした。情け容赦なく振りかざされるボロボロの刃を向けられても、父親としての責務を果たそうとしたのだ。

 だが、父親は守られた。同じく突然として現れた、一人の男によって。


「ここは俺に任せて、あんたらは逃げろ!」


 父は男が連れていた子どもの手を引き、少年を抱え、走っていく。

 少年は見た。

 男が青白い光に包まれ、姿を変える様を。そして男が刀を持ち、武者鎧と果敢に戦う姿を。


「……かっこいー!」


 少年がヒーローに憧れたのは、その日からだった。

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