――紗命は三人を集め、バレていた事やその他諸々を話した。
「そりゃぁ、警戒もするわね」
「一人好きなのは人柄や思うけど、距離は縮めれた思いますわぁ」
彼女は思う。話してみれば何てことはない、気さくな青年だった。
「同居人だ、俺達も歩み寄らないとな」
「そうですね」
話も終わり、去り際、紗命は男二人に聞いてみる。
「お二人は他人の魔力、感じれる?」
「いや、俺は無理だ」
「私も。確かに五感が鋭くなったような気はするんですが」
両者共にノーだ。しかし欠片は掴んでいる気がする。
「……東条はん的に言うたら、経験値の分散てとこやろか。聞いただけなら、狼の方があの鳥より強そうやったし(ブツブツ)」
思考の海に潜る紗命に、三人は置いてけぼりを喰らう。
「魔法とかcellって、奥が深いんですね」
「そりゃそうよ、あたし自身よく分かってないもの」
「ああ」
そっちに関しては点でダメな三人だった。