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第30話


 ――紗命は三人を集め、バレていた事やその他諸々を話した。


「そりゃぁ、警戒もするわね」


「一人好きなのは人柄や思うけど、距離は縮めれた思いますわぁ」


 彼女は思う。話してみれば何てことはない、気さくな青年だった。


「同居人だ、俺達も歩み寄らないとな」


「そうですね」


 話も終わり、去り際、紗命は男二人に聞いてみる。


「お二人は他人の魔力、感じれる?」


「いや、俺は無理だ」


「私も。確かに五感が鋭くなったような気はするんですが」


 両者共にノーだ。しかし欠片は掴んでいる気がする。


「……東条はん的に言うたら、経験値の分散てとこやろか。聞いただけなら、狼の方があの鳥より強そうやったし(ブツブツ)」


 思考の海に潜る紗命に、三人は置いてけぼりを喰らう。


「魔法とかcellって、奥が深いんですね」


「そりゃそうよ、あたし自身よく分かってないもの」


「ああ」


 そっちに関しては点でダメな三人だった。



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