いたっ!かわいい足に顔を蹴られ目が覚める。顔の上におかれた足をのけて愛息子の匠海(たくみ)に布団をかける。はぁ〜っと伸びをしてベットから出る。
朝ごはんの準備にとりかかる。
糸原紗英 23歳。1歳の匠海を育てるシングルマザー。匠海は茶色の細いサラサラした毛に・ぱっちり二重の大きな目・高い鼻‥‥‥全てが匠翔さんにそっくり。匠翔さん仕事頑張ってるんだろうな、きっと‥‥。幸せに暮らしているんだろうな‥‥‥。ふー!よし!!考えないよ!!私には匠海がいる。
私の両親は駆け落ち結婚をして私が生まれた。母は、日本でも1位2位を争うぐらいの財閥の娘。父は両親を早くに亡くしたサラリーマン。母の両親は大反対!!私の妊娠がわかると母の両親はおろさせようとしたらしい。母はこっそり抜け出し父と駆け落ちした。決して裕福ではなかったが‥‥‥幸せに過ごしていた。高校2年生の時に事故で母が亡くなり後を追うように翌年、父もなくなった。1人になった時に‥‥母の父の秘書がやってきた。「大学卒業までの生活費と大学費用は出してやるが、お前は有栖川家とは一切関係ない。有栖川と名乗る事も多言する事も許さない。」っと書いた封書をもらった。大学費用として1千万円・生活費として卒業するまで毎月20万円を払うと書いてあった。気持ち的には突き返したかったが‥‥‥1人になりこれからの生活に不安しかなく了承のサインをしてありがたく支援を受けた。大学4年生の3月まで毎月きちんと振り込まれた。有栖川太蔵の名前で振り込まれた。
母と父は幸せそうだったが‥‥‥私は身分差のある恋愛はしないと誓っていたのに‥‥‥好きになったのは
伊集院 匠翔さん伊集院コーポレーションの御曹司だった。好きになってはいけない人だった。私には宝物の匠海がいる。それだけで十分幸せ。