目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

ー天災ー91

 ロビー内をバタバタと走る看護師たち。入口からは次から次へと患者さんたちが運ばれて来ていた。


 それを見た瞬間にはもう、望たちも行動を起こし始める。


 いつも診察室として使っていた部屋も今は処置室になっていて、そこでも治療が行えるようになっているのだ。


 色々と治療している中で、和也と望のコンビは最強だ。


 というのか、息がピッタリ合っているという方が正しいのかもしれない。


 和也は望の指示に従って薬や包帯を出す。いや、言われる前に出していると言った方がいいのかもしれない。


 ひと通りやり終えると、今度は和也は裕実へとバトンタッチしたようだ。


「とりあえず、望の言う通りに動いていけばいいんだからな。次はやってみてくれよ」

「はい! 分かりました!」


 そう、次の患者さんは和也が裕実に任せることにしたようだ。


 次に運ばれて来た患者さんの治療に入る望。


 すると、裕実は新人という程ではないことに驚かされた。


 昨日和也が言っていたことは本当だったのであろう。 凄く動きがいいのだから。


 それでも、裕実は望の指示について行くのがやっとのように思える。


 一人治療を終えたところで、望は、


「和也が言っていた通り、本宮さんは大丈夫みたいだな。俺に付いてこれてるみたいだしさ」

「そうみたいだよな……なら、いいんじゃねぇの?」

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?