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ー天災ー103

 だが、雄介に方に耳を傾けていた望はそんな耳障りな声が出されたらたまったもんじゃない。


「いきなり、人の耳元で大声を出すんじゃねえよ! あー、もう、耳が痛いじゃねえか」


 そう雄介に言いながらも、望は和也の方に視線を向けると、今度は和也が望を睨んでいるのが目に入る。だがそこで望が怯むわけではない。


「雄介……雄介……耳を貸してくれ」


 望は和也が睨みつけているのを尻目に、雄介に和也のことを話し始めるのだ。


「あのな……和也が、俺に本宮さんのことが好きだって言ってから、ああなんだぜ」


 雄介はそれを聞くと先を促すように、


「そんでー」

「だから、今はああやってイチャイチャしてんの……」


 雄介はその話を望に聞いてから、望と同様にニヤニヤとし始める。


「ほんなら、良かったやんか」

「だけど、アイツ、まだ、本宮さんには告ってないと思うんだけど」

「ほんなら、早よ……告ってまったらええのにな」

「だよなー」


 未だにニマニマしている望と雄介。側から見たら結構怪しい人だと思われてもおかしくはない感じだ。


 和也はそんな望に対して「あとで覚えてろよー」と雄介や望に睨んでいるのだが、望と雄介の方は何か余裕そうな表情をしていた。


「そういや、雄介、疲れてるんじゃねえのか? 今日は早く休んだ方がいいんじゃねえの?」

「せやな。流石に今日は寝ないとアカンやろうし。とりあえず、望がせっかく蒸しタオル持ってきてくれたからな、これで、身体拭いてから寝ることにするわぁ」

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