望は、起きたばかりでまだ意識がハッキリとしてないのか、未だにボーっとしていた。
そして、思い出したかのように飛び起きると、
「和也! 雄介は?」
いきなり飛び起きてきた望に和也はビックリした様子だ。
「雄介……?」
そんな望に不思議そうな表情を浮かべながらも、その後すぐに和也はニマニマとした表情になる。
そして冷やかすように、
「何何何ー!? やっぱり、望は雄介の事がそんなに気になるのか!? 熱いねー! やっぱ、望は雄介の事がよっぽど好きなんだなっ! そうだ! そうだ! 望は雄介の事が好きなんだ!」
「ち、違うっ! そんなんじゃねぇって!」
望はそんな和也の言葉に顔を赤くし、視線を反らしてしまう。
「ま、まぁ……そんなに好きならいいんだけどさ……。雄介は帰って来て、ソファで休んでるぜ……」
親指を立ててソファの方を指差す和也。
「……へ!?」
その和也の反応に裏声を上げてまで反応する望。
「あれ? 雄介は死んだんじゃねぇのか?」
そう半分独り言のように言ったつもりだったのだが、どうやら和也には聞こえていたらしく、
「そんな訳ねぇだろ? 雄介はいつもにように元気に帰って来てるんだからよ」
まだ和也の方はにやにやとしながら言っている。
そう言われてみれば、ソファのある部屋からは雄介の声が聞こえてきているような気がするのだ。
「なんだ……そういう事だったのか……」
望は完全に起きて、雄介達がいるソファへと向かうと、雄介の飛び切りの笑顔を見て安心したようだ。