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ー空間ー12

 望と和也が丁度、応急処置を終えた頃、救急隊員が現場へと到着する。


「あれ? 吉良先生じゃないんですか?」

「あ、ああ……今日は仕事が終わって、ココでのんびりとお酒でも飲んでたんだけどな……ちょ……」


 そう言っている間にフラフラとしている望。


「吉良先生こそ、大丈夫ですか?」

「ああ、まぁ……」


 久しぶりにお酒を飲んだせいもあってか望は本当にフラフラとしていた。


「まぁ、俺の事は気にしないでさ……早く、その人達を病院の方に連れて行って下さいよ……」

「はい! 分かりました!」


 どうやら今の救急隊員は望が働く病院へよく来る救急隊員だったらしい。


「……って、本当に望大丈夫なのか?」


 和也の方も処置の方を終えたのか望の元へと来る。


「ああ、まぁ……なんとかな……」


 そうは言うものの未だにフラフラとしている望。


「……ったく」


 和也は軽く息を吐くと望の隣へと来ると肩を貸し会計を済ませると店を出て行く。


 和也はそんな望の姿も写して雄介へと写真を送っていた。


『そないな写真送ってこられたら、ホンマ、東京に行きたくなるやんか……もう、こうなったら、休みの日にそっち行ったるからな!』


 そうメールを寄越して来る雄介に対して和也は作戦成功の笑みを浮かべていた。


 その後、和也は病院の部屋のベッドへと望の事を寝かせると和也の方も横になる。


 そして次の日望は朝起きると自分がベッドにいる事に気付くのだ。


「あれ? ここは? 病院の俺達の部屋だよな?」

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