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ー空間ー197

 それに望の事だ。ここで雄介が望の言う事を聞かなければ確実に今ここで辞めてしまう可能性がある。


 確かに今日を逃してしまったら次いつ望に会えるかも分からないのだから、ここは雄介が大人しくしておいた方が無難だろう。


 でも望の体に触れたり舐めたりする事が出来ないのは少し不満が残る所なのだが、望が東京に帰る前に雄介の体に少しでも望の温もりを残しておきたいと思ったようだ。 しかし本当に今日の望は雄介が動く事を許してくれなさそうだ。


「な……お前の方こそ、体大丈夫なんか? 昨日は寝たのが明け方やったし、さっきも眠いって言うてたやんかぁ」


 今度は雄介の方が望の体の方の心配をする。


「……あ、と、とりあえず、さっきはああ言ってたけど、お前の部屋に行くきっかけが欲しかっただけだ。眠い訳がないだろ? いつも寝ないのは慣れてる事なんだしさ」


 その望の答えに雄介はひと息吐くと、


「なんやそういう事やったんかいな」

「そうだ……」

「あー、ちょ、まだ、服脱がんといてな」


 雄介は望が服を脱ぎ出している姿を見て、それを何故か急に止めてしまう。


「望の事抱くのはええねんけど、もうちょいだけ、イチャイチャさせてくれへんかな? 明日過ぎたら次いつ会えるか? っていうのが分からへんしな」


 そう言うと雄介は望の手首を掴んで引っ張ると雄介の膝の上へと望を座らせる。


「今日する時、お前がリードしてええねんけど、今だけは俺にリードさせてぇな……」

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