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ー天使ー140

「ま、確かにキャバクラは……とは思ったんだけどさ、ま、大人な遊びつーの?」

「……ってことは和也は、そういうとこに遊びに行ったことあるんか?」

「少しはあるさ! キャバクラにクラブに、一応、キャバクラの上のこともいわゆるマッサージってやつな」

「流石に俺はキャバクラは無いでー。はい!? マッサージって……抜いてもらうってやつだよな?」

「まぁな……。若い時にだよ。今は流石に興味はねぇけどさ。ほら、お前達が付き合い出して、裕実と付き合うまでに数回位行ってたけど、なんか違ったんだよなぁ? そりゃ、そういうとこの子だから、可愛かったんだけど……なんか、寂しいっていうのか空しいとかいうのか、そんな感じだったなぁ」

「ま、そうやろな? 本当に好きな子やない訳やし」


 そんな二人の会話に付いて行けないのは望だ。一人、黙々とラーメンを食べているのだから。


「それに、やっぱ、俺は女には興味なかったからなんだろうなぁ」

「なら、キャバクラとか行く必要なかったやんかぁ」

「寂しさ紛れってやつだったんじゃねぇの? 流石に裕実が居るようになってからは行ってねぇしよ」

「裕実が居る時に行ってたら、アカンやろうがぁ」

「ま、そうだけどな。ま、一応、俺はそんな遊びも経験してきたって訳さ……一度きりの人生なんだから色々と経験していかなきゃだろ?」

「まぁ、そやな……」

「さて、飯食い終わったし、帰るかぁー」

「せやな……」


 三人は会計を済ませると、車で家へと帰って行く。


「ほなら、後は風呂に入って寝るだけやなぁ。な、望……」


 雄介はそこまで言ったのだが、何故かそこから先を言えずに頭を掻き望から視線を反らしてしまうのだ。


「風呂……か?」


 最近は琉斗が居て、琉斗と雄介が一緒にお風呂に入って居て望はいつも一人で入っていたのだが、今日は雄介と二人きりの日である。だが雄介はいつものように望に『お風呂に入らないか?』とは言えずにいた。


 望の性格上、雄介に『お風呂一緒に入りたい』と自ら言える性格ではない。


 琉斗が来てから二人きりになるということは減っていた。だから今は二人きりにされると、何をしたらいいのかを意識してしまい、前のように会話が続かなくなってしまっているのかもしれない。

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