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ー決心ー82

「今度からは時間がある時は二人で作ろうな。っていうか、俺は雄介に料理を教えてもらいたいからな」

「せやな……構わへんよ。これからは時間には余裕ある訳やし、いっぱい望に教えたる。遊びも料理もな」

「ああ、そうだな。確かに雄介の言う通り。遊びも教わらないとなぁ」

「例えば、望は何か遊びとかしたことあるん?」

「んー、多分、無いと思うんだけどなぁ。

さっきも言ったけど、カラオケにも行ったことねぇしよ」

「ほな、ボウリングも?」

「ないなぁ」

「遊園地は行ったしー、今日はゲーセンに行ったし、後はカラオケ位か?

ま、意外やったんが、合コンに行ったことがあったっちゅうことかなぁ?」

「それは、あくまで人数合わせだって言っただろ?」


 望にとって恥ずかしい過去を掘り返されて呆れたように言うのだ。


「ま、まぁ、それはいいとして……」


 雄介は望の空気に気付いたのか、話題を変えたようだ。


「あのなぁ、望って、初恋っていうのはあったんか?

って思うたんやけど……」


 雄介は気になりながらも少し申し訳なさそうに聞いてみた。


 望は再び呆れたような溜め息を吐きながらも、


「初恋なんて今までしたことはなかったよ。恋をするとドキドキするとか言うけど……俺は今までしたことはなかった」


「そうなん? 初恋はしたことはなかったんかぁ」

「今まで、そんな暇はなかったからな」

「そんでも、女性と付き合った事はあったんやろ?」

「それは、向こうから告白だったしな」

「ほな、俺が初恋の人物やったりしてな?」


 雄介はふざけて言うのだが、望は顔を赤くしながらも、


「ま、そういうことになるのかもなぁ? 要は胸がドキドキすればいい訳だろ?」

「ま、そういうことやな」

「俺、言うけど……多分、最初の頃はお前にドキドキしていたような気がするよ」

「ほな、俺が望にとって、初恋の人って訳なんやな?」

「ああ、多分……そうなんだと思うぜ。ホント、和也にさえも、そんな気持ちになったことなかった位だからな」

「なんや、嬉しいわぁ、望の初恋の人になれたってのがな」

「俺はとりあえず、お前だけど……お前はどうなんだよー。何か、俺ばっかり聞かれてるから、お前にも聞いてやるー」

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