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ー平和ー51

「そうだったんだ……」


 和也は掃除を終わらせると、朔望とは対面へと座り少し二人の関係のことが気になったのか、


「それで、それでー」


 その先の話を急かすのだ。


「始めはアイツが『攻めたい!』って言い張るから、攻めさせていたんだけど……やっぱり、僕はただ受けているだけでは、物足りなくなってね。だから、歩夢のことを攻め始めたら、いい声を上げた訳さ。それで、歩夢の方が受けってなった訳。中に指を入れただけで、体もビクつかせていたし、昨日は普通にやったけど、今日からは、少しハードにしようかと思ってるんだよねぇ。 玩具とかで攻めたりしようかと……」


 そう朔望は楽しそうに話をすると、


「ま、そういう訳だから、多分、これからは兄さんには手を出さないと思うよ。ま、まぁ、僕達の関係が続くまでだけどさぁ。今日は仕事帰りにそういう店に立ち寄って、色々と見てから帰るよ。 和也もたまには少し刺激のあるのに挑戦してみたら? どうせ和也は毎日のようにノーマルなんでしょう?」

「何言ってんだよー。そんな訳ねぇだろー!」

「そう強く言っているってことは、そういうことなんだろうね。和也は嘘を吐けないタイプだしー、声にまだ出てしまっているのだから。優しいのもいいけど、たまには刺激のあることをしないと恋人に飽きられちゃうよ」

「そんなことはないって! 裕実の場合にはゆっくりでノーマルが一番いいの! 俺が一番に裕実のことを分かってるんだからな!」

「分かってる……ねぇ。じゃあ、今度、僕が裕実さんの相手になって上げようか? それで、どんな反応をするか? っていうのが見てみたいし」

「それは絶対に嫌だ! なら、俺が今日、確かめてみるからよ!」

「そうこなくちゃー。やっぱり、思った通り、和也は負けず嫌いだね」


 朔望はそう言うと、笑みを浮かべる。


「ああ、俺は負けず嫌いだからよ。朔望が俺と同じ側なら、負けちゃいられないだろー」

「じゃあ、今から僕と一緒にそういう店に行かない? それで、明日……それを使ったことの報告って感じでさぁ」

「お! いいねー。 乗った! それに、丁度、ローションも切れかかってたしな」


 和也は朔望と性格が似ているのか楽しそうに言うと、今度は望の方に向かい、


「じゃあ、今日は帰るなぁ」

「ああ……」

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