======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは「火乃本」国。「日乃本」国ではない。念の為。
政府The IIIImm省。The IIIImm局、The IIIImm部、The IIIImm課、The IIIImm班。
「成程ナア。怠け者天国の部署って、こんなもんか。何平米?窓ないね。ああ、誰かに見られたら困るものねえ。内藤君の机には、ド〇クエか。お。最新バージョンか。」
「誰だ、君は。入館証は・・・ない。」
言った当人は、どこかに繋がるスイッチを押した。
「断線してるみたいよ。持田さん。あ。持川さんだ。」
「どうして・・・あ、切ったのか?いつ?」
「今、君はスイッチ押しただろう?それはね、ケーブルを自動的に物理的に切るスイッチなんだよ。知らなかった?」
1人の職員が、扉を開けようとした。開かない。
「あーあ。壊しちゃった。自分で作ったセキュリティーシステムなのに。大きな振動があると、自動的にロックがかかるんだよね。宮川さん。」
スマホを弄っている者がいた。
「どこに繋がるの?忠臣国?繋がらないよ、奥野さん。」
持川は、また抵抗を試みた。
「君は、誰だ!!」何の権利があって、こんなことをする。我々を幽閉する権利はない筈だ。」
「何故?」「我々は、The IIIImm。この国で一番偉いんだ。」
「ふうん。誰が決めたの?」「我々だ。」
「ちょう、わけ、わかめー!!」
「わ、我々をここから出せ!いや、出して下さい。」
女性職員が、衣類を全て脱いだ。
「レイプしてもいいです。開放して下さい。私だけでいいです。他の恥知らずの職員なんかどうでもいいです。」
「よく言った。そこの壁に立て。衣類は着ていい。風邪引くと、「お楽しみ」出来ないからな。」
女性職員は、主張した。「蘭子。衣笠蘭子です。」
「よし。いい心がけだ。『The IIIImmが産めるの増税だけ』って、言葉知ってるか、蘭子?」
「いえ。諺や格言は苦手でして。」「それで、いつもエーアイに文章を書かせているのか?」
「はい。え?どうして、それを?あ・・・すみません。どうぞ、命令を続けて下さい。」
「何故、外国には気前よくばら撒くのに、国民には税金を増やしてばかりいる?そこの金庫は何号金庫だ?」
壁に四角い『切り取り線』が出来て、内側に落ちた。
『金塊の山』が、そこにあった。
「『いい仕事してますねえ!』って、和服のオジサンがいいそうだな。」
どこかでウーンとうなり声のような音がした。
「心配するな。お前達が作ったシステムが逆転し始めただけだ。いや、正確じゃないな。お前達の作ったシステムの『バグ』を直すシステムが稼働したんだ。『増税』とおぼしき税金は全て『ゼロ』になる。」
突如、部屋の隅にあったマルチディスプレイが起動し、『諸費税率を変更するには1年かかるって、石刎総理に吹き込んだのは、どいつだ?』とテロップみたいなのが流れた。
皆、ドア体当たり男の宮川を指さした。
『ジャッジメント!!』と、マルチディスプレイに文字が映った。
『ジ ャ ッ ジ メ ン ト』と細切れに文字が出てから、『ジャッジメント』」と表示された。まるで、何かのアニメのようだ。
宮川は、音もなく床に吸い込まれた。
「あの・・・ご主人様。あの人はどこへ?」「ブラックホール。」
皆、その場にフリーズした。
「ギルティの判断が出たな。」
「あの・・・ご主人様。ギルティ・・・って誰がジャッジメントを?」
「知らんな。」
「あのー。私達の仕事は?」と1人の若い職員が手を挙げた。
「ないよ。もうない。君たちの『増税』という仕事は「還付」という仕事に置き換わり、エーアイがシステムを全て書き換えた。たばこ税、飲酒税、ガソリン税、諸費税、固定資産税、贈与税、相続税、住民税、社会保険料、健康保険料、年金、通行税、その他、国民がNOと判断した、カネ。その壁その他の場所に隠す為に作られた『クラ』から『舞難波データ』を元に国民に行き渡る。ああ。金持ちに『割り引いていた』分は、税金として、詰まり、「追徴税」として国庫に入る。ああ。公務員の給料は『公務員税』として、90%が徴収対象だ。公務員年金も廃止。『有識者』が指定した通り、国は『破綻』しない。やり方を反転すればいい。君たちが『賞賛』したエーアイが決めたことだ。まだ、君たちの仕事のことを言っていなかったね。ここに存在すること。それだけでいい。分かったかな、真鍋君。」
真鍋は言った。
「いつ、家に帰れるんですか?」
「君は耳が悪いのか?頭が悪いのか?蘭子。今、私は『ここに存在することが仕事』って言わなかったか?」
「はい。言いました・・・おっしゃいました。ここで、ずっと生活するということでしょうか?ご主人様。トイレにも行けないのですか?」「トイレに行きたいのか?蘭子。尿意も便意もない筈だ。食欲もない筈だ。」
「訳が分からない。我々は、『幽閉』されているのに誰も助けに来ないし。」
持川は宮川が消えた床を調べた。
「落とし穴じゃないよ。ブラックホールに転送されただけだよ、ここ、ホワイトホールから。」
蘭子は、髪を逆立て、また衣類を脱いだ。
「ご主人様。好きにして。その代わり、私だけは助けて。」
「無意味だから、懇願しなくていい。もう時間だな。このホワイトホールは、『時間がない世界』だ。だから、お腹も減らないし、トイレも必要無い。」
「俺達が一体、何をしたって言うんだ?これ、何かの罰ゲームなんだろ?どうすれば終るんだ。」と、奥野は叫んだ。
「奥野の答その1。お前達は、何も『生産』せず、国民からカネを巻き上げることだけしてきた。忠臣国に忠誠を立てて。その一方で忠臣国の移民大移動計画を立てた。アジア諸国・アフリカ諸国にばら撒き、『キックバック』という『お釣り』を国庫に入れず、お前達の『金庫』に入れた。罰ゲームの罰は、その罰だな。奥野の答その2。終らない。さっき言ったように、ここには時間がない。お前達の頭の中の10分は、外の世界から見れば0分だ。じゃあな。あ、さっき風邪引くって蘭子に言ったが、風邪は引かない。流行病もないから枠朕も治療薬も要らない。じゃあな。」
「ご主人様。あなたは一体・・・。」
「ああ。自己紹介するのを忘れてた。俺の名前はミン・イーと言う。」
男は消えた。The IIIImm省。The IIIImm局、The IIIImm部、The IIIImm課、The IIIImm班から。
男が、部屋から、透明人間のように消えると、廊下に出た。
そこには、白い壁が残った。
何時間かして、工事関係者が『部署プレート』を外した。
そうして、『今日こそは』『今日こそは』という国民の願いは叶い、The IIIImm省の代わりに『歳入歳出省』が新たに出来た。
新しい『大統領』は、天応陛下の前で「もう漂流しません、させません。」と誓った。
天応陛下は、全世界に向けて発信した。「日本の『全国民投票システム』は完璧です。」と。
―完―