「次の患者さんどうぞー!」
なんてことを言いながら突然始める。
薙は声でドアを叩く音を出すと、
「失礼します……」
と言い想像の世界での診察室へと入って行くのだ。
「今日はどうしました?」
「あ、いや……」
突然始まってしまったことで、次何を言ったらいいか戸惑っている薙。
「いつも病院に行く感じでいいよ……後は俺が誘導していくからさ……」
そう何故か小さな声で修斗は薙に伝える。
「あ、えーと……」
「ま、とりあえず、そこのベッドにお座り下さい」
そこの所は病院とは違うのだが、修斗に言われたのだから、薙の方は素直にベッドの端へと座るのだ。
「あの……ちょっと、お腹が痛くて、咳とか出るので風邪じゃないかと思うのですが」
「そうですか……」
修斗も薙のセリフに続きそう答えていく。
「ちょっと、お腹の方触らせてもらってもよろしいですか? ベッドに横になって下さい」
薙は修斗にそう言われ素直にベッドに横になる。
そして修斗は薙が着ている洋服を捲り上げお腹へと触れるのだ。
「んー……とりあえず、お腹の方は便秘かもしれませんね……。なので、中にある物を出しちゃいましょう」
そう言うと修斗はさっき買ってきた商品の中から、お腹の中を綺麗にする液体を出して来る。
「ベッドに手をついて、お尻を突き出して下さい……」
「……へ? それって、どういうこと!?」
薙はどういう意味なのか分からなかったのか、演技ではなく素で言っているようだ。
「だから、さっき言ったでしょ? これが、お腹にある物を出す液体なんだって……」
それを素で返す修斗。一瞬、クスリとしかたかと思うと、
「……って、薙もいいタイミングで『お腹が痛い』って言ってくれたよね……。ま、とりあえず、北村さん、医者の言うことは聞こうか?」
そう言い、最後の方は再び医者モードになる修斗だった。