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二人のために別れましょう〈語り・椿紗〉

『博孝、別れましょう 』


付き合い出して二年。


彼が私を誰かと重ね合わせていることに

わりと早く気付いてしまったのです。


それでも、彼の傍に居たくて今日まで触れることを

避けてきましたが不安感は日に日に

積もっていくばかりで遂に、心が悲鳴を上げたのです。


ですから、私から別れを告げたしだいです。


『椿紗……何で……』


彼は気付いていなかったのでしょう。


『貴方は私を誰かと重ね合わせて見ているようでしたから』


そう告げると驚いた表情かおをしました。


やはり、気付いていなかったのですね(苦笑)


『…………』


『別れましょう』


もう一度告げて彼のマンションを出ました。

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