枝浬菰文庫
BLオメガバース
2025年06月11日
公開日
4,085字
連載中
ガーナシュベルツ城に仕える騎士ルークに、王子から縁談の話が届いた。
名家のαやβの令嬢たちに紛れて、ただひとり、異彩を放つ名前があった。
それは——
“噂のΩ”として誰もが知る少年、シャロン。
身体でしか愛を知らず夜、αの元へ通うとも囁かれるシャロン。
気まぐれで顔を見に行ったルークが目にしたのは、森深くの馬小屋ような場所に一人でいた。
「……こんな場所が、君の居場所なのか?」
言葉を交わしその澄んだ瞳に宿る孤独が、ルークの心を離さなかった。
シャロンがどんな過去を持っていようと関係ない。
名誉も、誓いも、今のルークにはもうどうでもよかった。
「君を迎えるのは、俺でいい。……誰かじゃなく、俺が指輪を渡したい」
騎士の手に守られた孤独なΩ。
噂のΩが未来をつかみルークと結ばれるふたりの関係は、
“結婚”という名の契約を、やがて真実の絆へと変えていく。