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『異性にモテる』ギフト ~運命の歯車が回り始める~
『異性にモテる』ギフト ~運命の歯車が回り始める~
熊さと
恋愛スクールラブ
2025年06月16日
公開日
2.1万字
連載中
どこにでもいる平凡な高校生・田中翔太は、父子家庭のせいか、隣の家に住む幼馴染・同級生の佐藤美雪に世話になりっ放し・・・そんな、だらしない翔太に、夢の中に現れた、訳の分からない女神様から『異性にモテるギフト』を無理やり与えられた・・・その時から、運命が急展開するのだった 最初は、この小説を『プチコン03・学園ラブコメ』に投稿しようと思ったが、ラブ・コメディーにしては、シリアス過ぎたので止めました それで、普通に投稿する事にしました・・・

第1話 平凡な日常

高校2年生の田中翔太は、どこにでもいるちょっとだらしない男子高校生だった


朝は目覚ましを3回止めてから起き、制服のシャツはいつもシワシワ


そんな翔太でも、読書と絵を描くことだけは心から愛していた


美術部に所属していて、先輩や後輩とは普通に仲良くやっている


特に部長の先輩は、翔太の絵を認めてくれていて、美術部が翔太にとって唯一の居場所だ


家に帰れば、父親が仕事で遅いことがほとんど


小学3年の時に母親を交通事故で失ってから、父親は仕事に没頭するようになった


会話は少ないけれど、仲が悪いわけじゃない


ただ、お互いに何を話していいのか分からないだけだ


「翔太、また朝ごはん抜きでしょ?」


隣の家から聞こえる声に、翔太は舌打ちをした


幼馴染の佐藤美雪だ


同級生で、成績は翔太と変わらないくせに、社交的で交友関係が広く、運動神経抜群


生徒会にも入っていて、学校の人気者だ


「別にいいだろ、腹減ってないし」


「嘘つき。お腹の音、隣の家まで聞こえてるから」


美雪は呆れたような顔で、手作りのサンドイッチを差し出した


昔は普通の友達だった


小学生の頃まで、お互いの家を行き来して、一緒に宿題をしたり、ゲームをしたりしていた


でも、中学に入った頃から、翔太は美雪を「女」として意識するようになった


それが恥ずかしくて、自分から話しかけることが少なくなった


でも、美雪は変わらない


父子家庭の翔太を心配して、朝ごはんを作ってくれたり、掃除を手伝ってくれたりする


正直、うざいと思うこともある


でも長年の付き合いだし、何かと気を利かせてくれるから、断れないでいた


「ありがとう」


素直にお礼を言うと、美雪は満足そうに微笑んだ


「でも、いつまでも私に頼ってちゃダメよ、ちゃんと自立しなさい」


「分かってるよ」


そう言いながらも、翔太は美雪の手作りサンドイッチを美味しく食べていた


学校でも美雪は翔太に絡んでくる


数少ない友人たちにからかわれるのが嫌で


「絡むのやめてくれ」と言うのだが


美雪は「だらしない翔太をほっとけない」と聞く耳を持たない


お互いに本音でぶつかり合う関係

でも、翔太たちはお互いが本当はどう思っているのか、気づいていなかった


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