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5.ドーム

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

星野弾・・・かつての地球防衛軍ユニバース警備隊隊員、地球防衛組織ドナルド隊長。

星野えいじ・・・弾の、双子の息子。GIT隊員。

星野はじめ・・・弾の、双子の息子。

星野マリア・・・弾の妻。

坂本幸太・・・暫定臨時自治組織GIT首相。

相田みずほ・・・GIT隊長。

井下透・・・GIT隊員。

畝山金蔵・・・GIT隊員。

越後ひかる・・・GIT女性隊員。

越智裕太・・・GIT隊員。

美作あゆみ・・・GIT女性隊員。

イーヨン・マスクマン・・・国連事務総長。


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2040年4月20日。地球。真鍮国雲海省。地下。GIT政府内に作られた、GITチームの基地。

GIT政府は、強力なバリアで覆われていた。

このバリアは、ウルカラセブンの星であるマイティスターの科学者ウルカラマンヒカリが開発した、強力なものだ。かつて、ウルカラセブンジュニア達が、多次元宇宙で修行していて発見した宇宙物質を元にしている。簡単には破れる訳がない。

GITチームは、今日も訓練に勤しんでいた。怪獣は、『観察用』なのか、外の世界に現れる。GITチームは、都度どこからの依頼もなしに次元移動ホールを通って、襲われている地域を守りに行く。真鍮国軍は、形だけ出動する。核すら持っているのに、宇宙人や怪獣には勝てない。

悔しいが、勝手に救援に来るGITや巨人頼みだ。


軍人達は、政府の中枢そのものが乗っ取られていることを知らない。

無論、国連事務総長もだ。

だが、急ピッチの政府作りや防衛組織作りは、国連事務総長とA国のランプ大統領配下の軍のお陰だ。「たぬき」の坂本暫定首相の「人たらし」のお陰でもある。

坂本は敢えて「現場にいたいから」と「陸将補」止まりの自衛官だった経歴がある。

与党に補欠選挙で入党したが、閣僚になったことは一度も無かった。

次の選挙までの「穴埋め議員」に徹した。

このような事態になって、要職を望む者などいなかった。

ランプに信頼の厚い、トーマス・マッカラムというE国系のA国人陸軍大将が推薦したのだ。

望まれれば尻込みはしない。

坂本は、短期間で組織を造り上げた。

戦闘機は、真鍮国軍が怪獣に壊された部品を元に再構成がなされ、生まれ変わった。

GITニードル1号機、2号機は、正に「リサイクル機」だった。

開発中のGITオーガニ-カリッジは、隊員全員が乗れる母艦だ。

オーガニ-カリッジとは、妙な名前だが、「ゆうき×ゆうき」という坂本の願いが込められている。

「スクランブル、スクランブル!!旧コンコンエリアにヘムスターとウイングジョーが出現。真鍮国軍もスクランブル発進したが、歯が立たない。GITチーム出動せよ!GITチーム出動せよ!!」

エーアイのアナウンスに導かれ、GITニードル1号機、2号機は発進した。

次元移動ホールを通り抜けると、怪獣が都市部を破壊している。

えいじは、ヘムスターを他の隊員に任せ、自らはウルカラセブンにジュニアに変身してウィングジョーに対峙した。

額、肩、肘、手、膝から同時に光線を放ったウルカラセブンジュニア。

GITニードル1号機、2号機はヘムスターの相手をしたが、爆風に苦戦した。

ウルカラセブンジュニアは、バック宙を繰り返し、ヘムスターの中央部に光線を放った。

一方、ニードル1号機、2号機はガリウム砲で液体金属を発射、ウィングジョーが動けなくなったところにナパーム弾を撃ち込み、倒した。

数秒後、ウルカラセブンジュニアもニードル機も転送された。

離れた空間で観察していたテンプラ星人は言った。

「ドームに直接出入りする訳じゃないのか。シラス星人は『隙』がある筈だと言ったが、ワームホールより難しいぞ。」


数時間後。星野家。

「何コレ?ラーメン??食べられるの、母さん。」と、えいじが言い、「合成技術はSFに追いついたね。『自動生成器(automatic generator)』と言うらしい。ね、ジーニアスさん。」と、はじめは、横のウルカラジーニアスに言った。

ウルカラジーニアスは、マイティスターの科学者だ。『宇宙転送装置』を開発し、危険を顧みず自らを地球に送り込んだ。

そして、今回の侵略の「対抗準備」を進めていたのだ。

「まだまだ、序の口だ。」弾の言葉は重かった。

―完―





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