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10.運命の日(最終回)

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

星野弾・・・かつての地球防衛軍ユニバース警備隊隊員、地球防衛組織ドナルド隊長。

星野えいじ・・・弾の、双子の息子。GIT隊員。

星野はじめ・・・弾の、双子の息子。

星野マリア・・・弾の妻。

坂本幸太・・・暫定臨時自治組織GIT首相。

相田みずほ・・・GIT隊長。

井下透・・・GIT隊員。

畝山金蔵・・・GIT隊員。

越後ひかる・・・GIT女性隊員。一番の年長者のため、皆からは「姉御」と呼ばれている。

越智裕太・・・GIT隊員。

美作あゆみ・・・GIT女性隊員。

イーヨン・マスクマン・・・国連事務総長。

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2040年4月28日。地球。真鍮国斥候省。竜宮城。

王宮は、文字通りの『竜宮城』として作り替えられていた。

事情を知らない、一般国民は、週近辺国家主席以下、国の中枢が「異星人(宇宙人)」に支配されたことを知らない人々は、妖姫賓の趣味が悪いとしか感じていなかった。

怪獣に支配され、荒廃した日本だが、国の植民地になったのなら、早く『工事』をして、日本旅行をしたいものだ、と言う者もいた。

情報統制が行き届いているので、全てが「他人事」だった。

竜宮城の外には、ドームが見えている。

シラスに統治を任されたピットン星人だったが、いつまでも真鍮国人の振りをしているのに嫌気がさしていた。

だが、午後になると、前回よりも圧倒的な数の円盤が飛来、ドームの方に飛んで行き、ピットン星人達は歓喜した。

ピットン星人は、直接の戦闘力がない。その代わり、変身術と話術を生かして、他の異星人と共に星を滅ぼしてきたのだ。

真鍮国雲海省。ドーム。

十二体の怪獣、円盤から出た宇宙人達が総攻撃をかけてきた。

だが、巨大なドームに光線、熱戦、冷凍光線が浴びせられたが、全て素通りしてしまった。

怪獣達も、同士討ちばかりして、仲間割れが始まった。

GITの3機は、残念ながら、炎上し、緊急着陸をした。

真鍮国斥候省。竜宮城。

円盤群を遠隔操作で動かしていたピットン星人の1人が叫んだ。

「まさか?無くなった?でも・・・ホログラム?」

そう。ドームは、とっくに移転・引っ越しをしていた。

右往左往する怪獣・宇宙人の『外側』から、ウルカラセブン、2体のウルカラセブンジュニアが現れ、エスメラルダ星人、ジーニアスの従姉ユーが続けて現れた。

弾の息子、はじめとえいじは2人とも元は「ウルカラセブンジュニア」の姿なのだ。

2人のウルカラセブンジュニアは、火炎、熱光線、冷凍光線を駆使、時にはウルカラトルネードで怪獣や宇宙人を吹き上げた。

数々の光線技が交差し、怪獣・宇宙人は倒れていった。

そして、シラス星人が残った。シラスは、巨大な鞭とサーベルを使い、円盤をキックボードの様に扱った。

ウルカラセブンジュニア2人とウルカラセブンは合体し、ウルカラスリーセブンとなった。

「おいおい、卑怯じゃないか、1人に対して3人がかりなんて。正義のヒーローらしくないぜ。不公平だ。」

シラスの言葉に、セブンは答えた。

「それは正確じゃないな。10人に対して3人だ。不公平なのは、お前だ。ボルドー。」

シラス星人は、複数の個体を1つの個体として合体出来るのだ。

以前、セブンと闘って倒したのは、クローンかと思われていたが、実は、合体した、複数の個体の1つだった。ジーニアスの研究で、そのことは判明していた。

シラスは、複数に分離した。

「今だ!」セブンが頭部の3本の角を複数の個体に投げた。

残りの個体に、エスメラルダ星人、ジーニアスの従姉ユー、ジーニアスの光線、地上からGIT隊員による特殊バズーカ砲が炸裂した。

シラスは倒れた。四散し、爆発した。

爆風の中、3人のウルカラヒーローと仲間達が佇んだ。

2040年4月29日。ドームは移送された。ジーニア達がA国に運んだのだ。

各国の、多くの元日本人は、A国の好意により、A国内に引き取られた。移民をしたのだ。

そして、冷凍睡眠されていた旧日本人は、特殊解凍装置で蘇った。1000人の移民も受け入れられた。

旧日本人が住んでいた日本列島は、怪獣がいなくなった。エスメラルダ星人とジーニアスによって、宇宙のかなたに「転送」されたからだ。

宇宙人がいなくなった真鍮国は、暫定的に国連が管理することになった。

暫定政府代表は坂本が行うことになった。

「真鍮国は、混沌とした時代に戻り、他民族国家だった組織は民族ごとの国家に生まれ変わります。日本と同じ、一からやり直しです。」

坂本の言葉に、「日本と同じ?もう日本はないのでは?」と弾が訝しんだ。

「人類は皆、平等。新しい日本を作りたい、という願いを無視する訳にはいかない。」、とイーヨンは言った。

多くの元日本人が、日本への帰還を望んだのだ。

どこの国も「移民政策」で失敗した。日本国民も「失敗」を学んだ。

「では、我々は旅立ちます。お元気で。坂本さん、イーヨンさん。GITのみんな。」

えいじは、そう言うと、家族と共に目を閉じた。

5秒で、彼らはいなくなった。

私が知っている話は、ここまでである。

誰か追加情報があれば、教えて欲しい。

A国大統領・ナルホド・ランプ。

―完―

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