超日本！　超静岡！！　超仇皮ちょうあだがわ！！！

　ここに、某超有名観光名所とはまーったく縁もゆかりもゆかりご飯もない、すべからく現実世界とは関係のない、知る人ぞ知るアミューズメントパークが存在した！

　その名は、『超チポポカニ園』！！！

　チポポというよく分からねぇ果物から摂れる、合法媚薬を公的に秘密裏に産出している上にカニまでいるよく分からねぇ施設であーーった！！！

　ここを創設したのは、説明するまでもない！　異星の未来人シリデッカー！　

　そして、超チポポカニ園には飼育員は1人もいない！

　なぜか！？　

　簡単な話だ！！

　コンクリートに囲まれた、小汚ねぇ泥沼みてぇなプールの中にいたカニども！

　アシダカガニなのか、ヤシガニなのか、ヒラツメガニなのか、エ〇チガニ(ヒラツメガニの別称、甲羅に“H”の字が見えることから)なのか、カニの種類なんてよー分からんが、お目々だけを出して泳ぎあそばされていた！！

　そして、浅瀬に来たかと思いきや、カニどもが顔を上げ……どころの話じゃねぇ！

　ムクッと起き上がり、二足歩行を開始したじゃあーりませんか！！

　そう！　超チポポカニ園のカニどもは進化の最先端カニ！　二足歩行ができる進化したカニなのであーる！

　しかもプロレスラー並みのマッチョだ！　赤とも紅ともいえねぇ甲殻にガッチリと覆われ、ダブル・バイセップス・フロントやサイド・トライセップスを各々勝手に決めて魅せつけている！

　そして、そんな彼らであるがゆえに、餌箱の中からホタテを出して食べる！　

　さらに、蛇口を捻って互いに水を掛け合う！

　そう！　彼らはお利口さんなので、自分で自分のことができるカニだったのだ！

「お、檻から勝手に出てくるんじゃない！」

「や、やめようよ、お兄ちゃん…」

　カニだけじゃ話が進まねえんで、唐突に出てくるセーラ服スタイルのショタ兄弟！

　細長い竹の先に二枚貝(ホタテ)を括り付け、戦国時代に高いところに文を届けるような感じで、それをカニどもに突き出す！

　正直、ショタの描写なんかしたくはないが、竹を持ってる兄と思わしき少年はいかにも気が強そうな銀髪色のストレートヘアーで、その後ろにいる弟はは黒髪クセ毛のメガネくんで、兄弟なのになんで髪の毛の色違うねんと思わなくもないのだが、そんなこと言ってもしゃーなしと寛大に受け流して貰えれば幸いであーる！

　んで、カニどもはショタを凝視していたが、我々こと人間の歪みに歪んだ脳味噌からすれば、彼らは「ショタだ。半ズボン生足にグヘヘヘ♡」とか下卑たことを考え、これから18禁展開に持ち込むフラグではとか思ってるかもだが、そんなことは一切ない(コンプライアンス的にも)！

　というのは、彼らはショタを見て、まず「これはホタテかしら？(竹の先の物がホタテであることは理解した上で)」とかそんなことを考えていたからであーる！

　コレは何事か！　説明せねばなるまい！

　彼らが餌として与えられているホタテは、貝を開き、食べやすくされた加工されたホタテだ！

　つまり、“生きたホタテ”を見たことがないのであーる！

　→生きたホタテを見たことがない

　→動くホタテは食べ物ではない

　→動く甲殻類は仲間だ

　→でも、コイツらは我々のように甲殻がないぞ？

　→？？？

　という、そんな思考回路に陥っていたわけで、ショタたちを食い物かどうか考えて凝視していたわけなのであーった！

　さっきコイツらをお利口さんと申し上げたが、前言撤回する！

　二足歩行になれば、大脳がどうにかこうにかして拡大し、頭がよろしくなるなんてご都合主義な展開がそうそう起きるはずもない！

　むしろ、コイツらは二足歩行することで、血流が脳の方に巡らなくなり、むしろ脳味噌が萎縮……とどのつまり、普通のカニさんよりもおバカさんになってしまったのだーー！！

　二足歩行なら作者でもできる！　けど、かといって賢いかどーかは話は別だ！　こんな話を書いている時点でお察しであーる！

「餌を食ったら、水場に戻れ！」

　銀髪のショタがそうのたまわった。

　カニどもの中でも一際大きい、1匹のカニが前に進み出て来る。

「カニ山カニ介……」

　ネット小説あるある、初登場時はフルネーム呼びをする。

　名前を呼ばれても、ぶっちゃけ自分の名前すら把握してねぇーんじゃないかって様子で、なおもカニ助が前に進み出る。

「ウクッ！」「ヒィッ！」

　ショタどもの身長なんて、そのカニの股間を立ったまま通れてしまう程度しかない。竹1本で挑んでいい相手ではないのだ！

　そして、その大きなお口で幼子たちを海産物とばかりに喰っちまう(物理的に)のかと思いきや、カニ助は竹先端にあったホタテをもぎ取ってクチャクチャと食べる！

「ホタテ……ウマンモモス」

「しゃ、喋ったぁ！！」「あひゃぁぁ！！！」

　兄弟は盛大にびっくら仰天して尻もちをつき、なんなら盛大にお漏らしまでしたが、カニ助は意にも介さなかった！

　そう！　ここのカニどもの賢さは、基本的に童貞のメンズと同じ程度……賢さ5でしかない！　喋れるはずなどないのだ！

　それなのに喋った！　これは事件であーる！

「た、大変だよお兄ちゃん！」「あうう、お、お父さんに報せないと…」

　兄と弟が震える手で、無線(モールス信号キー)を取り出す！　

　そう！　もうめんどくせーんで説明をはしょってたが、この兄弟は未来人シリデッカーの息子たちで、兄をアス、弟をアルと言う！

　名前の由来は、間に“ある文字”が入るととんでもねぇーことになるからだが、こんな小説を読んでいる読者の知性も間違いなく5なんで、そこら辺には気づきもしないだろう！

　んでもって、やっぱりここで続けて事件が起こる！

　施設のコンクリート壁が、突如として爆発したのであーる！

「な、なんだ！？」「た、タイヘンだよ！」

　アスとアルが騒ぐが、達観したカニたちは「食い物かしら？」と、モウモウと煙がある方を見やってた！

「オーホッホッホ！！」

　そして、煙の向こうからは、やっぱ知性5しかなさそーな甲高い声の笑い声が聞こえてきた！

　重低音と共に出てきたのは、腹に響く重低音を鳴らすウーハー付きの巨大バイク！

　どのぞの聖●が乗っていた、玉座付きの頭の悪い人が乗りそうなトライクをイメージしてもらえればいい！

　んで、王座に座っているのは、やっぱり頭があまりよろしくなさそうな人物だった！

　豪華絢爛チックな見た目、エセ美容にハマってそうな感じの濃い化粧、眉毛にまで届きそうなマツゲ！　似合わないのに和服に、腕章には『カリスマ・マナー講師』なんて書いてある、某女性週刊誌にも出てこなさそうな典型的な口うるさそーなタイプのキャラである！

　周囲を取り巻く手下たちも、スケールダウンというか、サイズダウンした見た目の奴らだと思ってくれればいい！

「いるじゃないの！　ショタが……ウフフフ♡」

　ショタを見た時の模範解答と言うべきことをのたまい、ジュルリとヨダレを拭うオネショタの鑑！

「お前は！？」「あなたは！？」

「私わたくしは好物すきものよ！」

　アスとアルが怪訝そうな顔を浮かべる。

「そう！　私はこの地に、“巨根ショタによるテーマパーク”……夢の性的楽園『巨根ショタ・スタジオ・ネオジャパン』を建設するために来たんですののよ！！」

　親前で朗読できない、頭の悪い展開が来てしまった！

　そう！　ショタと巨根は相容れない！　それゆえに実現させる価値と需要があると思い込んだ連中の仕業だったのだ！！

「な、なんだって？」

　アスとアルは自身の股間を見やる。ショタにポークビッツは王道であるがゆえに！

「オーホッホッホ！！　あなたたちにも強制的に巨根手術を施して、私の施設のスタッフとして面白おかしく生きるがいいわ！　週休3日で3食昼寝付きよ！　各種手厚い福利厚生、茶封筒に収まりきらない賞与と、夏季冬季休暇もありですわよ！」

　ブラックなのか、ホワイトなのか微妙なところだが、とりあえず好物たちは襲いかかってきた！

「やめろぉー！」「助けてぇー！」

　さっきオネショタと言ったが、厚化粧でシワを隠した、とても姉とは呼べない年齢の女性に取り囲まれるだけでも警察案件なのだが、おおよそ人間の法という物にはまったくもって興味関心がないカニどもは、その場に立ち尽くしていた。

　神輿のごとく担ぎ上げられ、「推し活よぉ！」と揺すられるショタたち！

　少年たちはお目々に涙を浮かべ、カニ助に助けを求めて手を伸ばした。

　そして、彼らの涙の一粒が地面をピチョンと打った時、このクソ物語にも奇跡が起きた！

　カニ助の脳裏に、微かに思い浮かぶ。

　そう。この少年たちが、毎日懸命にカニの餌箱ん中にホタテを詰めている光景を思い出したのだ。

　貝汁まみれになりながら、カニたちのために働く少年たちのなんと健気なことか！

　カニ助は賢さ5で思うた！

　“この小さいのがヤラレちまったら餌が貰えなくなるんじゃなかろうか？”、と！

　飯に関することなら、わずかに知能指数が上昇するのだ！

「……なによ？　何か用かしら？　カニ野郎」

　好物は、おままごとようの着せ替え人形の服をアスとアルに遠目に当てて、「どの衣装が映えるかしら？」などとやっていた。

「オデ、タタカウ」

「しゃ、喋ったわぁ！！？」

　好物たちがびっくら仰天して、その場で尻もちをつき、なんなら盛大にお漏らしまでしたが、カニ助は意にも介さなかった！

「しゃ、喋ったからどうしたってのよ！　ちょっとビックリさせちゃってからに！　カニはカニらしく、カニのグラタンにでもなってなさい！！」

　好物は椅子からマナー講師辞典(自著)を取り出すと、「甲殻類は、人類に逆らわないのがマナーですわよ！」と勢いよく持論を振り回す！

　しかーし！　カニ助の頑強そうな見た目はハリボテではなかった！　そんなメンタル攻撃は通用しなかったのであーる！

「そんなバナナミキサーッ？！」

　お目々をビョーンと飛び出させ、意味不明なことを叫んで、カニに通用するマナーをペラペラと探し始める。

　その間、カニ助は咄嗟に身を屈め、一挙に悪者に近づき、その大きなハサミで……

　股ぐらに挿入した！！

　大事なことなんで、もう一度言う！

　股間に……つまり、尻の穴に差し入れたのだ！！

「あ、あんぎゃーッ！！」

「「「お姉様！！」」」

　好物は暴れるが、カニ……特にヤシガニの巨大なココナッツクラブの挟む力は最大90kgと計測される(人間だとせいぜい50〜60kgf程度)！

　……あれ？　別に今回は挟む力関係なくね？　ま、そんな細かいことはいい！

　そして、ガタイがよく、二足歩行に進化したカニ助であればなおさらだろう(何がどうなってそうなるのかは物理学者か生物学者にでも聞いてちょーだい)！

「こ、このぉ！」

　好物は脂汗をしたたらせながらポッケから銃を取り出そうとするが、その瞬間に恐るべきことが起きた！

　カニ類の必殺技、『カニチョキチョキ』だ！

　カニたちは獲物を挟むと、獲物をチョキチョキして食べやすくほぐすのだ！

　そして股間に突っ込んだまま、カニチョキチョキすればどうなるのか！

　説明するまでもない！

　ズシャシャシャ！！

　そう！　

　……いや、やっぱ説明したくない。

「……(ちーん)」

「救急車よぉ！」「お姉様！」

　鮮血にまみれた尻穴を押さえて、好物たちは慌てて去って行ったのだーった！

「わ、カニ助！」「た、助けてくれたの？」

　ヒーローでも見るかのように、アスとアルはカニ助を見やる。

「ホタテ……ウマンモモス」

　うーん。ダメだ、こりゃ。

　とてもコイツに主人公やらせらんねー。

「今日は奮発してアコヤ貝にするね！」「身体も洗ってあげますね！」

　そんな作者の想いとは関係なしに、竹からデッキブラシに持ち替えて勝手に盛り上がるアスとアル！

　デッキブラシで背中を擦られ、カニ助の顔は心なしか微笑んで……いるように見えるわけねーだろ！　甲殻類に表情あるわきゃねーだろうが！！

　とにかく、今日もまた、超チポポカニ園の平和は守られたのであーった！！

☆☆☆

　と、そんな超チポポカニ園の様子を遥か上空からバイキ●マンの乗ってそうなUFOにのったガチムチなマッチョマンがいた。

「ククク。成長したな、アスとアルよ」

　説明するまでもない。彼こそアスとアルの父親、かつ未来人シリデッカーその人であーった！

　まあよく分からねぇが、きっと息子たちの成長を促すためにカニどもの面倒みさせてるような気がしなくもない！

「それにしても……」

　シリデッカーの目は、カニ助に注がれていた。

　なんなら、頬が上気し、目が若干ハートになってるよーな気もする。

「まさか、ここまでいい男に進化するなんて…」

　そう！　彼は人間の男に愛想をつかし(両刀使い)、自分好みの亜人を育てんがためにこの施設を作ったのであーった！

「……ちょっと、つまみ食いしてもいいのぅ！」

　溢れる唾液を袖で拭い、シリデッカーは下卑た笑みを浮かべたのであーった！

☆☆☆

　その夜、カニ舎で行為に耽っていたはいいが、カニの本能が炸裂し、やっぱ“入ったまま”でカニ助がカニチョキチョキしたため、シリデッカーの全身はとんでもねぇことになったのだが、超科学による治療が施されて事なきを得たので、父親の痴態は息子たちに知られることはなかったのであーーった！！

　めでたし！　めでたし！！

─完─