「好きだ。」優しく髪や顔を撫ぜられながら唇を合わせる。
はぁ~夢か〜。
「ママ‥‥‥ママ‥‥。」
「は〜い。よしよし。もう少し寝ようね。」トントンと背中をたたく。
佐藤るかは1人で娘の星を育てている。星の父親はわからない。たった1度だけ会った人。それだけなのに忘れられない愛しい人。名前も「ゆう」しかわからない。
3年前‥‥‥。会社の健康診断で再検査になり有栖川病院で検査をして結果を待っている時に〜聞こえてきた。
「若いのに‥‥‥ステージ4だって〜。」「かわいそうだね。」「余命1ヶ月ぐらい。」看護師さんの会話。
「えっ!!」パニックになってしまいそのまま病院を去っていた。
1週間前に5年付き合ってた彼氏にほかの女性と結婚すると振られたばかり。不幸がつづく。死ぬなら不幸もこれで終わりか‥‥‥。っと
飲み潰れたくなりバーに入る。そこで男性グループに連れて行かれそうになったところを助けてくれたのがゆうだった。その後の記憶が曖昧だったけど‥‥‥気づいたらホテルベットに寝ていた。記憶は断片的にあり、間違いなく隣でねむるイケメンとしたことはたしかだった。こんな事をしたのははじめで財布に入ってるお札と手紙を置いて急いでホテルをでた。
顔も見たくない元カレもいたので仕事は体調不良を理由に即日やめた。
余命が1ヶ月‥‥‥。好きに過ごそうと旅をする事にした。両親は亡くしていたので1人だから好きに過ごそうとした。北から旅して回っていると‥‥‥1ヶ月、2ヶ月過ぎても元気だった。3ヶ月がたった頃、朝から食欲なく吐いてしまう。「とうとうきたな‥‥。」っと思った。吐き止がないと動けないと思い診療所に入る。診療所の先生は話しやすいミカ先生。話しやすくて話を聞いてもらうと「命を大事にしなさい。」っと怒られる。有栖川病院に連絡してくれる。その結果‥‥なんと再検査の結果は異常なしだった。「うそ!」「ほんと。違う人の事だったみたいよ。」「そうなんだー。この吐き気は何だろう?」
「尿をとってきて」っと言われ尿検査をしてもらう。
「妊娠してるよ‥‥‥。」「うそ?!」「ほんと。どうするの?」「産みたい‥‥‥。」元カレとは別れる3ヶ月前から会ってなかったので父親は(ゆう)という男。