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ブルーアース
ブルーアース
寿甘
SF空想科学
2025年07月27日
公開日
2.3万字
連載中
西暦2200年、地球は青くなかった。 世界は突如として現れた新種の人類、獣人と旧来の人類との戦争が長い膠着状態に入っており、終わりの見えない戦争に人々が疲弊する中、地球の三分の一ほどを支配する獣人の帝国で被差別階級の孤児として生まれた犬人の葉月の視点から物語が始まる。 章ごとに変わる語り部達によって徐々に明らかにされていく真実をお楽しみください! ※こちらの作品は同人電子書籍として個人出版されています。

マステマの章

プロローグ

 この国は、種族で身分の階級が決まる。そして、種族毎に順列があるが支配階級の種族と被支配階級の種族に大きく二分されている。


 階級の高さを決めるのは、種族としての強さ。


 最も強いのは狼人ロウポー


 最も弱いのは犬人ドゴー


 見た目にはほとんど違いがないのに、強さで一番上と一番下に別れているのだ。


 なぜ強さで階級が決まるのかというと、今この国は戦争をしているからだ。


 戦争の相手は、この国以外の全国家。全ての旧人類である。私達獣人は、百年ほど前にこの世界に誕生した新人類なのだ。


 なぜ旧人類と戦うのか?


 それは私には理解出来ない。ただ、この地球の浄化が目的だと皇帝陛下はおっしゃっている。


 地球は、汚れているのだ。


 かつて、地球は青かったという。


 でも、今の地球は、茶色かったり黒ずんでいたりする。


 旧人類が、この地球を汚し尽くしたのだ。そう、教科書に書いてあった。


 だから、我々獣人は旧人類を滅ぼし地球を浄化してかつての青さを取り戻さなくてはならないのだという。


 その決意を表明するため、この国の名前は『ブルーアース』という。


 一人の皇帝と、元老院と名付けられた政治を行う議会と、戦争を行う軍隊の三つの権力が支配する国。


 そんな国で、私は犬人として生まれた。

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