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第11話

「は…?」


私は驚きを隠せない。


「簡単な事ですよ。

あなたは1億円を手に入れ、僕は偽りの花嫁を手に入れる。」 


「は、はぁ…」 


「つまり、僕と契約結婚してくれたら、1億円の借金は僕が支払うと言っているんですよ。」


「その、ちょっと…

頭が混乱していて…」


私は言う。


「あぁ、すいません。

唐突なお話でしたね、あなたには。」


「えーっと、契約結婚って…

一体どんなのなんですか…?


それに…

結婚が条件ならば、お好きな人と結婚すれば良いのでは…?」


よくわからない。

調月さんは完璧なほどカッコいいし、しかも社長ならば引く手数多なはずだ。

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