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ロイヤルスイートから始まる極上ラブストーリー
ロイヤルスイートから始まる極上ラブストーリー
ツキノリコ
恋愛オフィスラブ
2025年08月26日
公開日
5,357字
連載中
ロイヤルスイートルーム… そこはごく一部のお金持ちしか立ち入る事の出来ない超高級スイートルーム… 誰もが憧れ、夢見る、超極上の空間… ロイヤルスイートルームに付くのは優秀なるコンシェルジュ達… どうぞ、何なりとお申し付け下さい。 コンシェルジュはお客様の要望を必ず叶えます。 それがどんなに甘く過激なご要望でも… これはホテル王・天羽萬里(あもうばんり)とコンシェルジュ・琴宮茉莉(ことみやまつり)の甘くちょっぴり過激な恋物語… どうぞ、最後までお楽しみ下さい。 ************************** コンシェルジュの琴宮茉莉(ことみやまつり)は、コンシェルジュになってもう4年の中堅ベテラン。 仕事に没頭するあまり、婚期も逃してしまった32歳、崖っぷち。 しかし、仕事においての評価は非常に高く、多くの顧客から信頼されていた。 結婚はできないものの、そんな毎日に満足していた。 ある日、最上階のオープンロイヤルスイートルームを初めて担当する事になった茉莉。 気合いを入れて部屋に向かうと…

第1話 物語の始まり

私の名前は琴宮茉莉ことみやまつり


愛月県、愛月市あいづきしのメインストリート沿いにある巨大高級ホテル"ヘブンリーフェザー"のコンシェルジュをやって4年目だ。


仕事では、顧客からも信頼され順調を極めていたが、彼氏居ない歴は更新真っ只中だ。

婚期も逃した32歳崖っぷちである。

このまま仕事に生きるのも悪くないかも?なーんて、最近では諦め気味だ。


その日、ホテルに着き、更衣室でコンシェルジュの紺色の制服に着替えて、デスク席に座った。


えーと、今日の宿泊客は…?

私は担当であるスイートルームのお客様のチェックイン、アウトのスケジュールを確認していた。


その時、青葉チーフコンシェルジュから呼ばれた。


「琴宮、ちょっと良いか。」


「はい、すぐに行きます。」


私は瞬時に頭の中にスイートルームのお客様の情報を叩き込むと、チーフのデスクの前に向かった。


「琴宮、今日から持ち場を変えようと思う。」


青葉チーフは言った。


「は?

と言われますと?」


私はスイートルームから外されるのだろうか…?

少しの不安が心をよぎった。


「そろそろロイヤルスイートルームを担当してもらおうと思っている。」


青葉チーフは意外な言葉を口にした。


ロイヤルスイートルーム!?

最上階のペントハウス!?

コンシェルジュにとってこれ以上名誉な事は無いわ!


「分かりました!

お任せください!

必ず満足いただけるように努力いたします!」


私は張り切って答えた。


「そうか、それは良かった。

琴宮には3つのロイヤルスイートルームの中のオープンロイヤルスイートルームを担当してもらう。

お客様の情報はこのファイルの中だ。」


青葉チーフは私に一冊のファイルを渡した。


「ありがとうございます!」


私は早速席に戻ってファイルを確認しようとした。

すると…

内線が鳴った。

オープンロイヤルスイートルームと電話の画面に表示されている。


「はい、オープンロイヤルスイートルーム担当コンシェルジュの琴宮でございます。」


「あぁ、ちょっと急いで来てくれない?

1分以内に来て。」


それだけ言うと電話はガチャリと切れた。


い、い、1分以内!?


私はファイルを見る暇も無く、コンシェルジュルームを飛び出さなくてはならなかった。


専用のエレベーターに乗り、オープンロイヤルスイートルームに向かった。

エレベーターの中でファイルを見る事は出来るが、そのまま個人情報の入ったファイルを持ち歩く訳にはいかないだろう。

という判断で私はファイルを置いてきた。


ロイヤルスイートルームに着き、ノックをしたが返事が無い。

仕方ないので、カードキーでオープンロイヤルスイートルームの扉を開け、「失礼致します。」と言い中に入った。








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