殺風景なここはどこだ。目の前にはいるはずのないお母さんが血まみれになって膝から崩れ落ちている。その後ろには数えきれないほどの血まみれの死体とナイフが転がっている。見渡す限り何もない。空はそれと反比例するかのようにさんさんと輝いて太陽が私の肌を焼くように照りつけている。
お母さん、そこにいるのならば帰ってきてよ、どんだけ私とお姉ちゃんが苦労してるか。お母さん、帰ってきてよ。なんで、あの急なる栄養失調と過度のストレスのせいで。あのクソ親父のせいで。あいつが、あいつがいなければお母さんが自殺することもなかった。運が悪いことにお母さんが死ぬ瞬間をお姉ちゃんとみてしまった。陰で気味の悪い笑顔で父親が笑いかけていた。その顔は一生忘れない。
「シズク、今までありがとうね」
「お母さん、お母さん。行がないで!私がいなくなればよかったの?あのクソ親父を殺せばどうにかなる?」
「心配してくれてありがとう。でも私はこの世界に必要がなかったみたい。あーあ、シズクの成人式見たかったな。将来の夫もきっといい人なんだろうな。でも私は逝かなければならないの。お姉ちゃんと仲良くしてね、約束だよ!」
ブシュッ ビチャッ
「ふっ、やっと死んでくれたか。こんなこと見たくなければな、お前がっ、ミオが死ねばよかったんだよ。それにお前のお母さんが邪魔しただけ。あぁーあやっと死んでくれた笑」
「おがあ”ざぁーん、うっう”ぁーーー(泣)おかあざーん!」
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「はぁ、はぁ!お母さん!」
「しずく!しずく!」