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​記憶を失った夫に離婚届を叩きつけたら、北の果てで追いかけてきた
​記憶を失った夫に離婚届を叩きつけたら、北の果てで追いかけてきた
遠野 莉子
恋愛現代恋愛
2025年10月24日
公開日
3.5万字
連載中
九条冬怜は人生をやり直すため、御影蓮との結婚を選んだ。しかし、新婚早々、蓮は事故に遭い、記憶を失う。戻ってきたのは18歳の、傲慢で猜疑心の強い少年の心だった。そして、彼のそばには、偽りの笑顔をたたえる幼なじみ、千景絢がいた。絢の巧妙な罠と蓮の冷酷な言葉は、冬怜の心を傷つけ、さらには大切なものまで奪い去ってしまう。絶望の果てに冬怜は、全てを捨てて北海道の小さな町に姿を消した。静かに花屋「冬椿」を営み、傷を癒す彼女の前に、ある日、憔悴しきった蓮が現れる。彼は真実を知り、後悔に打ちひしがれていた。雪に覆われた北の大地で、傷だらけの二人は、贖罪と許しという難しい道のりを、一歩一歩歩み始める。過去の呪縛を解き、新たな愛を紡ぐことはできるのか―。重ねた罪と、決意の再生を描く、切なくも温かいラブストーリー。

第一話 白無垢に照らす冷たい月

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