目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
​離婚届を出した翌日、妻は伝統工芸の星になった​
​離婚届を出した翌日、妻は伝統工芸の星になった​
Natsukawa
恋愛現代恋愛
2025年10月27日
公開日
5.8万字
完結済
才能ある染織デザイナーである秋山美月は、夫で新進気鋭の起業家・鈴木悠人のためにキャリアを犠牲にし、内助の功に徹してきた。しかし、結婚3周年の記念日、彼が美月の心を込めて手作りしたシルクのスカーフを、幼なじみの白月光・高橋梨沙に気軽くプレゼントするのを目撃してしまう。これが決定的な引き金となり、積もりに積もった失望は頂点に達する。「あなたの愛は、もう要らない」―置き手紙と離婚届を残し、美月は東京を去り、故郷の金沢でデザイナーとしての人生を再起動する。 一方、悠人は妻の不在がもたらす空虚さと、会社の運営において彼女の存在がいかに不可欠であったかを痛感し、ようやく自分過ちに気付く。驕傲なエリート社長は、失った愛を取り戻すため、金沢に赴き、卑屈で執拗な「追妻火葬場」の道を歩み始める。事業の危機、強力な恋敵の出現、家族の反対など、数々の試練を経て、悠人は少しずつ変わり、本当の愛と責任とは何かを学んでいく。美月は傷ついた心と向き合いながら、自分自身の価値を見出していく。二人の関係は、拒絶、葛藤、徐々に解ける氷、そして運命的な赤ちゃんの到来を通じて、新たな段階へと向かう。これは、愛と成長、過去との和解、そして伝統的工芸の美を織り交ぜた、感動的な復活と再生の物語である。

第一話 周年の痛み

loading