クズ男のおかげで不妊になった私の復讐 ~私の亡き夫の息子に跪きなさい
アボカド
恋愛現代恋愛
2025年10月30日
公開日
6.2万字
完結済
東京のトップアート展に、永山帆夏は幼い息子を連れて姿を現した。冷ややかで凛とした美貌に、会場の視線が息を呑む。
そこへ現れたのは、かつて彼女を愛し、そして壊した男——財閥の御曹司・鷲沢亮平。
「レオは、私の亡き夫アレックスの息子です」
静かに放たれたその言葉に、彼の心は音を立てて崩れ落ちた。
五年前、帆夏は亮平に飼われた小鳥だった。
彼の手で愛も夢も、母になる未来さえも奪われ、絶望の果てにすべてを捨ててパリへ渡る。
そこで彼女は、白月光のように穏やかな男性・アレックスと出会い、芸術家としての才能を開花させ、真実の愛と家族を手に入れた。
——そして五年後。
最愛の夫を亡くしながらも、彼の遺児を胸に抱き、帆夏は圧倒的な美と誇りをまとって帰国する。
再会した亮平はようやく悟る。
自分が失ったのは、従順な愛人ではなく、決して手の届かぬ星だったのだと。
彼は贖罪のためにすべてを捧げる。だが返ってくるのは、氷のように透きとおった彼女の視線だけ。
「——あなたの存在そのものが、私の過ちだったの。」