忘年会で社長に水をぶちまけすべて終わったと思ったのに、彼が私に恋をした!?――でも残念ね、社長。もう遅いのよ
きなこもち
恋愛オフィスラブ
2025年11月05日
公開日
5.4万字
完結済
28歳の花城茉莉は、冷静沈着で隙のない完璧主義者。社内では「完璧なマシーン」と呼ばれるほどのビジネスエリートだった。
年末パーティーの夜——。
彼女はグループ後継者・黒瀬海斗に「つまらない女」と笑われ、理性の糸が切れる。次の瞬間、手にしていた氷水を彼の頭上にぶちまけていた。
その瞬間、茉莉は悟った。
――キャリアは、ここで終わった。
ところが翌日、彼女に告げられたのはまさかの「黒瀬の秘書昇進」。
さらに黒瀬本人から持ちかけられたのは、「契約結婚」の提案だった。
彼には家族の圧力を避けるための“婚約者”が必要。
彼女には、再起のための経済的支援が必要。
冷たい契約書一枚が、まるで正反対の二人の運命を結びつけた。
だがある日、黒瀬が重要な会食の席で、軽々しく彼女を「いろいろできるパートナー」と口にした瞬間——茉莉の心は静かに切れた。
契約を破棄し、姿を消す彼女。
その時になって初めて、黒瀬は気づく。
支配していると思っていたその女性こそ、自分の世界を支えていた唯一の存在だったのだと。