御曹司のクズ男を振ったあと、私は彼の宿敵と電撃結婚することになった
しゅらら
恋愛現代恋愛
2025年11月07日
公開日
4.3万字
完結済
川野未来は、御曹司・宇都宮凌と七年間付き合っていた。
ある夜、バーの個室で彼が笑いながら言うのを聞いてしまった。
「暇つぶしの玩具に過ぎないよ。」
未来は三ヶ月も準備していたプロポーズの演出を静かに片づけ、その夜、白無垢を切り裂いて東京を去った。
宇都宮凌は確信していた。
「どうせ、あいつは俺なしじゃ生きていけない。」
だがまもなく、彼は上流階級のパーティーで未来を見かける。
彼女の隣には、関西でもっとも高貴とされる男——九条飒真の姿があった。
女嫌いとして知られ、“業界の狂犬”と呼ばれるその男が、
優しく未来の指先に口づけを落とし、皆の前で宣言した。
「紹介しよう。俺の婚約者だ。」
宇都宮凌は狂ったように電話をかけてきた。
「未来、俺が悪かった……!」
未来は静かに笑って言った。
「ごめんなさい、宇都宮さん。私の“未来”に、あなたはいないの。」