浮気したのね、私の夫と。――いいわ、じゃああんたの夫は私のものよ!
さくしゃ かりこ
恋愛結婚生活
2025年11月11日
公開日
4.5万字
連載中
白石温子は、かつて世間が認める「模範的な主婦」だった。
しかしある深夜、ホテルのフラッシュの中で、彼女は自分の夫が別の女と絡み合う姿をこの目で見た。
その女は、経済誌の常連であり、名門の貴婦人――高橋綾乃。
心が砕けた? 涙を流した? いいえ。
温子は涙を拭い、その女の背後にいる男――建築界の帝王、高橋征十郎のもとへと歩み寄った。
彼女は裏切り者を取り戻すつもりなどない。
彼女が欲しいのは、その男――復讐の刃として最も鋭い存在。
高橋征十郎。冷徹、富裕、そして東京のスカイラインを支配する男。
彼は泣きじゃくる哀れな女が来たと思っていた。
だが彼の前に現れたのは、恐ろしいほど冷静な交渉者だった。
「高橋さん、手を組みましょう。私たちは、生まれながらの――共犯者です。」
「二人で力を合わせれば、あの二人を地に落とし、私たちのすべてを取り戻せる。」