クズ男に内緒で結婚式を中止され、彼の子を妊娠したまま豪門に再嫁したら、彼は後悔して狂った。
もめいか
恋愛現代恋愛
2025年11月27日
公開日
3,115字
連載中
思っていたのはウエディングドレス──
なのに、待っていたのは笑い話だった!
五年の想いは犬に食わせたも同然。
結婚式当日、瑛里華は初めて知る。
自分が婚約者・蓮司と、その義妹・柚羽の、
ただの隠れ蓑にすぎなかったことを。
心が凍りついた彼女は婚約を破棄する。
だが皮肉にも、その直後にクズ男の子を身ごもってしまう。
腹の子を連れてこの街を離れようとしたとき、
叔父・冬馬が彼女の前に立ちはだかった。
「婚約は榊原家と君が交わしたものだ。
蓮司なんかじゃ君には釣り合わない。他の男を選ぶこともできる。」
男は意味深に微笑む。
「もちろん──俺も含めて、だ。」
「でも……私は妊娠していて……」
「気にしない。」
──その後。
蓮司は想像したこともなかった。
未来のある日、瑛里華が冬馬と手を取り合い、
世間の祝福を浴びる姿を目の前で見せつけられるなんて。
彼は尊厳を捨て、あらゆる手を使って瑛里華を取り戻そうとした。
だが返ってきたのは、彼女のより深い嫌悪だけだった。
「言っただろ? 俺は必ず君を迎えに行くって。
どうして待ってくれなかった? そんなに俺が憎いのか?」
瑛里華は冷たい目で蓮司を見つめ、
彼の手を払いのけた。
「どいて。……汚らわしい。」
瑛里華が冬馬の腕に抱き寄せられるのを見て、
蓮司は激しい痛みに襲われる。
冬馬は冷ややかに告げた。
「これから彼女は、お前の“目上”になる。
失礼のないようにしろ。」