無理やり身代わりの花嫁にされ、夫は財閥の御曹司。クズ男の元カレは後悔して泣き崩れる
Kirara
恋愛結婚生活
2025年11月27日
公開日
4.3万字
完結済
水谷鈴音は、クズ男の元婚約者に路上で突き飛ばされ、額から血を流した。
彼女は警察に通報し、婚約を破棄し、きっぱりと彼の前から去った。
同じ日、姉の神宮寺雪穂が逃亡――相手は東京五大財閥の一つ、北条家の御曹司。交通事故で“障がいがある”と噂されていた。
神宮寺家は鈴音に身代わりの結婚を強要する。
鈴音は自ら北条家を訪ね、契約結婚を提案した。
――一年後に離婚する、偽りの夫婦関係を。
だが、世間で「障がい」と囁かれていた北条専務・北条晴海は、実はどこも悪くなく、鈴音に一目惚れしていた。
彼は毎朝、朝食を作り、昼食を届け、仕事終わりには迎えに来る。
体調を崩したときは、彼女の枕元で一晩中寄り添い、眠ろうともしない。
元婚約者に絡まれたときは、冷ややかに言い放った。
「これで二度目です。うちの弁護士チームは暇ですよ。」
蛍舞う夏の夜、彼は片膝をつき言った。
「一年ください。あなたを本気で口説かせてください。」
鈴音の心は、少しずつ溶けていく。
その頃――
クズ男の元婚約者は会社が倒産し、借金まみれになり、ただの労働者へと転落。
逃亡した従姉は詐欺に遭い、一文なしとなり、脂ぎった中年男に嫁ぐ羽目になった。
二人は鈴音に助けを求めて土下座する。
鈴音は冷ややかに見下ろし、言った。
「これはあなたたちへの報いよ。」
そして彼女は振り返り、北条晴海の腕の中へと飛び込んだ。