クズ元夫よ、さっさと失せろ!離婚したその日に、一夜を共にした見知らぬ男が全国一の大富豪だった
のんのん
恋愛現代恋愛
2025年11月27日
公開日
7.1万字
完結済
離婚したあの日、神崎涼介は署名するときでさえ、私のことを一度も見なかった。
「お前は俺なしじゃ生きられない。せいぜい一ヶ月で泣いて戻ってくるさ。」
私は笑った。
二年間の結婚生活、彼は夜も帰らず、浮き名ばかり流していた。
私が高熱で電話しても「うるさい」と切られ、
流産して入院した時でさえ、彼は取引先の接待に行っていた。
私は十七年も彼を愛し、犬のように惨めだった。
離婚後、私は北条瑛士と出会った――日本五大財閥の御曹司。
彼は言った。
「十二年前、病院で君は泣きながら“光が見えない”と言った。あの日から、君はずっと俺の光だ。」
彼は私の好みを全部覚えていて、私の気持ちを誰よりも気にかけ、
私が一度も手にしたことのない優しさをくれた。
彼の腕に寄り添ってパーティーに出席したとき、元夫はその場にひざまずき、私にすがった。
「奈津子、俺が悪かった……」
私はかつて私を卑屈にさせた男を見下ろし、静かに言った。
「神崎さん、人はね、一度失ったら、それで一生なの。」
その後、元夫の会社は倒産し、彼は誰からも見放された。
そして私は――北条の“妻”になった。