家族にクズ男との結婚を強いられた私は、三大財閥の御曹司と契約結婚し、家族は破産した
もも
恋愛結婚生活
2025年11月27日
公開日
4.2万字
完結済
料亭の個室の外で、早川雪乃は“婚約者”である藤原翔太の本音を聞いてしまった——
「早川雪乃? 早川家が途中で拾ってきた“本物のお嬢様”らしいが、家では可愛がられてないし、ただの遊び道具だよ。」
その場で婚約破棄。
その夜、早川家とも決裂。
雨の夜の街角。神宮寺財団会長の高級車が彼女の前に止まる。
「早川さん、お困りですか?」
契約結婚——期限は一年。
彼女はそれをただの取引だと思っていた。
だが、元婚約者がしつこく付きまとった時、彼は彼女を背に庇い、世界に向けて宣言した——
「早川雪乃は、俺が十八歳のときから目をつけていた人だ。婚約は祖父が決めたが、俺が同意したのは――彼女を娶りたかったからだ。」
そして、彼女の本当の正体が明らかになる。
実は、業界の伝説的デザイナー“雪見”その人だった。
偽物のお嬢様・桜子は彼女のデザインを盗作し、公開処刑。
前任の藤原翔太は地方支社に左遷され、地に膝をつき許しを請う。
偽物のお嬢様を偏愛していた早川家は、会社の株価が暴落し、雪乃に戻ってきてほしいと懇願した。
雪乃はただ冷ややかに微笑んで言った。
「ごめんなさい。私はもう、神宮寺の姓を名乗っています。」