父に墓地へ捨てられた私を、偏執的な年上の財閥会長が迎え入れてくれた
もも
恋愛現代恋愛
2025年12月03日
公開日
6.6万字
完結済
十九歳の誕生日前夜、白石雪菜は父親に平手打ちされ、頬を腫らされた。
理由は、彼女が“お姉さんの”新品の靴を履いていたから——
それは本来、父が彼女に贈るはずの誕生日プレゼントだった。
異母姉は泣くふりをし、父は雪菜を家から追い出した。
運転手は彼女を墓地のバス停に置き去りにした。
秋雨は激しく降り、雷鳴がとどろく中、
彼女は震えながら標識の下に身を縮めていた。
もう人生は終わったのだと思ったそのとき——
酔った見知らぬ男が、酒を差し出してきた。
「俺が君に“家”をあげる。」
男はそう言った。
その男の名は水嶋優斗。三十二歳。
日本五大財閥の一つを掌握する権力者。
莫大な資産と絶大な影響力を持ちながら、
彼は墓地でひとり酒を飲んでいた。
彼は雪菜を家へ連れ帰り、彼女専用のスケートリンクをつくり、
フィギュアスケートの夢を全力で支えた。
外には冷酷無情な男が、
彼女にだけは偏執的なまでに甘く、溺れるほどの愛を注ぐのだった。