ちーの
恋愛現代恋愛
2025年12月08日
公開日
5.7万字
完結済
水谷桃は藤原悠斗と4年間付き合い、
ひたむきに尽くし、傷つかないようにそっと想いを寄せてきた。
しかしあの雨の夜、彼氏と初恋相手の写真を見てしまい、
自分が“身代わり”にすぎなかったことを知る。
別れたその日、伯母に無理やりお見合いへ連れて行かれる。
レストランで、幼なじみの橘雅紘が突然現れ、
皆の前で片膝をつき——
「俺と結婚してください」
彼は国内五大財閥の一つ、橘グループの社長だった。
桃はこれは契約結婚だと思っていた。
だが——
彼は桃の好物を作ろうと、自ら台所に立ち、
元彼に絡まれた時には妻を守るように言い放つ。
「彼女は俺の妻だ。失礼のないように」
さらに、桃を傷つけた元彼の会社を破綻させ、
無一文にするほどの手腕を見せつけた。
そして何より驚いたのは——
彼が目を赤くして言った言葉だった。
「俺は、八年間ずっと君を待っていた」
倉庫には桃の写真がぎっしりと保管され、
毎年の誕生日に彼が用意したプレゼントも並んでいた。
ずっと、誰かが黙って彼女を守り続けていたのだ。