義兄を救うために身を売ったのに、冷徹な御曹司の溺愛対象になってしまった
Goburinrin
恋愛現代恋愛
2025年12月08日
公開日
6.3万字
完結済
彼女は実母に捨てられ、十年間、神代家に預けられて育った。
十五歳のとき、彼女は愚かにも養兄を愛してしまい、その想いが露見すると、異国へと追放された。
五年後、彼女が戻ってきたとき、望んだのは恩返しだけだった。
しかし、待ち受けていたのはさらに大きな危機。
養兄を救うため、彼女は深夜にあの男の扉を叩く——。
氷室京介。
東京三大財閥の頂点に立つ、伝説の“氷の君王”。
「俺の女になれ。そうすれば助けてやる」
彼女は恋人契約に署名した。
ただの取引だと、そう思っていた。
だが、署名した瞬間から、彼女は彼の執着の中心となっていたのだ。
ネットでの誹謗中傷が襲いかかると、彼は記者会見で堂々と彼女を庇う。
「彼女は俺のものだ。手を出すなら、覚悟してかかってこい」
過去が暴かれたとき、彼は冷ややかに言い放つ。
「十五歳の恋に何の罪がある? 彼女を笑うなら、まず自分の顔を鏡で見ろ」
悪意ある者たちの罠には、彼は雷のような怒りで報復し、すべてに代償を払わせた。
——そうして彼女は知る。
この冷たい男が、自分のためなら、すべての氷雪をも融かしてしまうのだと。