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私の肌が触れ合いを渇望するこの症状は、財閥の御曹司である彼にしか癒せない
私の肌が触れ合いを渇望するこの症状は、財閥の御曹司である彼にしか癒せない
甘煎ひめ
恋愛現代恋愛
2025年12月09日
公開日
6万字
完結済
彼女には秘密がある。 白石千雪は冷たく高慢に見えるが、実は「肌が触れ合うことを渇望する症状」を抱えていた―― 極度に触れられたいのに、誰に対しても距離を置くふりをするしかなかった。 十年間、彼女は自傷と薬でなんとか保ってきた。 その生活は、彼に出会うまで続くはずだった―― 鷹取悠斗。 この男の触れ方だけが、千雪の痛みを一瞬で消してしまう。 いけないと分かっていても、彼に近づかずにはいられなかった。 学校中では噂が広がっていた。 「白石千雪が鷹取先輩を追いかけているらしい」と。 千雪は否定したかったが、口が開かなかった。 誰が信じるだろう? 彼に近づく理由が「治療のため」だなんて。 ところが、告白したのは彼のほうが先だった。 「千雪。君が好きだ。友達としてじゃない。 一生、君を守りたいと思っている。」 幸せを見つけたと思った。 しかし―― 嫉妬する者が現れ、彼女を壊そうとする者もいた。 デマ、罠、ネット中傷…… 次々と襲いかかる。 千雪が限界に追い詰められたその時、彼が動いた。 記者会見ひとつで、すべての真実が明らかになり、 三日以内に、すべての敵が消えた。 そのとき初めて知った。 彼の正体は、「校内一の美男子」どころの話ではなかった。 鷹取グループの若き後継者。 日本ビジネス界の伝説と呼ばれる存在。 「千雪、つらい思いをさせてごめん。これからは―― 世界中に知らせる。君が、俺の妻だということを。」

第1話 氷のような彼女

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