Fランク探索者の俺、ダンジョンの「バグ」が見えるようになったので、壁抜けしてボス部屋の裏側から攻略します
翠(すい)
現代ファンタジー現代ダンジョン
2025年12月11日
公開日
3,793字
連載中
「おい雑魚、囮になって死んでこい」
病気の妹を救うため、探索者として活動していた霧島 透は、才能なしの「万年Fランク」として底辺を這いつくばっていた。
ある日、雇われたパーティに裏切られ、ダンジョン深層の袋小路に置き去りにされてしまう。
迫りくる高レベルモンスター。絶体絶命の窮地で、透の脳内で何かが弾けた。
『ユニークスキル【デバッグ視(コード・アイ)】をインストールします』
覚醒した透の目に映ったのは、世界の「裏側」だった。
壁のテクスチャの継ぎ目、敵の当たり判定の穴、そしてシステムのエラーコード。
「あ、この壁。判定ないからすり抜けられるわ」
透は正規ルートを無視して壁を抜け、マップ外(亜空間)を移動し、最強のボスを「天井裏」という安全地帯から一方的にタコ殴りにして瞬殺する。
その様子をうっかり配信していたことから、世界中が大騒ぎに!
『なんだこの攻略!?』『チートだろ!』『運営仕事しろ!』
慌てて飛んできたダンジョン管理協会(運営)のエリート美女・玲奈も、透のデタラメな攻略に愕然とする。
「不正行為でBANします!」 「いやこれ、ただのスキル(仕様)なんですけど?」 「そんな理不尽な仕様があってたまりますか!!」
これは、運営にマークされながらも、バグ技を駆使してダンジョンを蹂躙し、億万長者へと駆け上がるFランク探索者の英雄譚。
透を捨てた元パーティが正規ルートで苦戦している横を、壁の中を通って涼しい顔で追い抜いていく爽快(バグ)ファンタジー、開幕!