目次
ブックマーク
応援する
21
コメント
シェア
通報
卑屈に九年間片想いしていたのに、彼に友達へ“譲られ”、そのまま電撃結婚した相手がまさかの財閥社長だった
卑屈に九年間片想いしていたのに、彼に友達へ“譲られ”、そのまま電撃結婚した相手がまさかの財閥社長だった
しょうくく
恋愛現代恋愛
2025年12月15日
公開日
7.9万字
完結済
水瀬未来は北条隼人に九年間片想いしていた。 その九年間、彼が病気のときは看病する人で、残業のときは差し入れを届ける人で、失恋したときは心のゴミ箱だった。 彼女は自分の人生を彼の生活の一部にしてしまったのに、一度たりとも彼の心には入れなかった。 あの酔った夜までは。 彼は彼女にキスをしながら、呼んだのは元カノの名前だった。 そして一か月後の食事の席。 彼は皆の前で堂々と言った——「元カノとヨリを戻した」と。 それから、まるでゴミを投げるように隣の男へ彼女を紹介した。 「こちら、水瀬未来。これから柏木さんに世話になって。」 その瞬間、水瀬未来の心は灰のように崩れ落ちた。 だが、予想外のことが起きた。 紹介されたその男——柏木財団の社長、柏木慎也がその場で口を開いたのだ。 「あなたを追ってもいいですか?」 さらに想像もしていなかった言葉が続いた。 「六年前のデザイン展で、初めてあなたを見ました。この六年間、あなたに近づくきっかけをずっと待っていました。」 水瀬未来が本気で柏木と付き合い始めたと知ったとき、 初めて慌てたのは北条隼人だった。 ——けれど、ある“すれ違い”は、一生埋まらない。

第1話 あの酔いしれた夜

loading